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歌集「春雪花」
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 枯れ芒

  眺むや虚し

   君恋し

 老いてやけふも

    時は止まらじ



 時雨た夕暮れ…枯れ果てたすすきを眺めていると、もう冬なのだなと虚しくなってきてしまう…。

 風は冷たくなり…彼が恋しくて仕方無く…。

 先日に誕生日を迎えて、また一つ歳をとり…時は止まることはないんだと溜め息を洩らした…。

 会えない時間は…どこまでも彼との距離を拡げ続けているようで…。



 住まいなば

   都の花の

    あざやけく

 われ住む里の

    色は褪せにし



 一旦住んでしまえば…都会は目移りする程の物事や人があることだろう…。

 そんな都会に住む彼には…ここは枯れた山波のように、全く色褪せて見えることだろう…。

 私の淋しさを知ることはない…。

 …私は苦しみに抱かれるしかないく…ただただ…じっと待つしかない…。

 そう…木々が冬を耐えて春を待つように…。




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