精神の奥底
52 Dark Side Of The City 〜後編〜
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な人間に戻れるのかって聞いたつもりだったけど?それに止めた方がいいと思うけどなぁ」
「何?」
少年はポケットから黒曜石のように妖しく折りたたみ式の刃物とハンドガンの特徴をひとまとめにしたような物体を取り出す。
そこら辺のサバイバルショップで手に入るようなものではなく、その手の趣味を持つ人間からしても見たことが無いような形状の武器だ。
「この間、オレにやられた怪我が治ってないんだろ?右肩が前より下がってるし、左に比べて妙に分厚い。包帯でも巻いてるんじゃないの?」
「それがどうした…?」
「いくらやっても結果は同じじゃない?ソロ、今の君はオレには勝てない」
「……」
少年は顔色を殆ど変えていないはずのソロが少し動揺したのを感じ取り、思わずニヤリと笑みを浮かべた。
「ねぇ、もう止めない?この時代、捨てたもんじゃないよ?いつまでも自分の先祖たちの残した負の遺産に取り憑かれてるってバカバカしくない?」
「……負の遺産だと…?」
「だってそうだろ?今の人類、皆多かれ少なかれ、ムーの遺伝子を受け継いでるんだ。アトランティスだかレムリアだってそうだ。これだけ数の人たちがいる社会だ。その資質を色濃く受け継いでいる者が現れるのは必然。本当なら同族の仲間であるはず人たちの存在も認めず、更には追いかける役割を君に押し付けて、可能性ある君の人生までも食い潰す。負の遺産以外の何物でもないじゃない?別に望んで手に入れた力でもないっていうのに、追われる側もいい迷惑だ」
「……」
「君は自分の先祖を誇りに思ってるかもしれないけど、自分たちの技術力で生み出したものに滅ぼされた。その上、そのせいで一度は世界を危機に貶めた連中だよ?どっちが愚か者かよく考えてみるといいさ」
『ラプラス!!!』
「!?」
少年の言い分にソロは激怒し、左手を伸ばすと何かを少年に向かって放り投げた。
一瞬でソロの手に黒く鋭い刃先の何かが現れたのだ。
それは少年に向かって一直線に回転しながら襲い掛かる。
しかし少年は慌てること無く、左手を前にかざした。
「ふぅ…危なかった」
突如として現れた鮮やかな紫色の壁がソロの放ったものを弾き、少年を守った。
「クッ…電波障壁」
「完全には防ぎきれなかったけどね」
少年は悔しそうな顔を浮かべ、後ろを振り返った。
視線の先には屋上の鉄柵に引っ掛かったOCEANUSがあった。
少年が左腕に装着してた時計だったが、チタンベルトが切れて吹き飛ばされてしまったのだ。
それに少し血が出ている。
「お気に入りだったのに」
「……」
「少し侮ってたよ。あれから多少は鍛え倒したんだ」
「……キサマには関係ない」
「純血だからって混血より優れてるかっていうとそうとも限らないって学んだみたいで何よ
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