精神の奥底
52 Dark Side Of The City 〜後編〜
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
スバルは電気街の方へ走っていた。
この時間帯でタクシーも拾えず、始発まで1時間程あるため、足を使う他無かったのだ。
面倒くさがりのウォーロックは電波変換を使えと言ったが、スバルは拒否した。
スバルにとって電波変換とは、早く移動するための手段ではない。
変身しなければ、分かり合えない相手と対等に向き合うための手段だった。
「この辺だよね?」
『あぁ…間違いなさそうだ』
深夜でも営業しているカフェやカラオケ、まんが喫茶街を通り抜けた先にあった電気街の一角、UXプラザ。
電気街を訪れる者なら誰でも知っている巨大モニターがあり、そこで毎日大量の宣伝CMを流し続けている他、イベントホールやショールーム会場にも早変わりする電気街を象徴的する場所だ。
深夜でも駅から直通の通路としての役割もあるので、施設の中でには入れずとも通り抜けができるようになっている。
エスカレーターは止まっているため、スバルは階段で登る。
「…あれは?」
『オイ!行くぞ!』
途中でプラザの側の道路端に停車していた黒のNISSAN・ティアナが2台程急発進して去っていく。
何かから逃げるようにして去っていく様子に不信感を感じたものの、スバルはウォーロックに急かされて階段を一気に駆け上る。
『スバル、ビジライザー掛けてみろ…』
「え?分かった」
一見、何も無かったかのような駅からの連絡口ホールだが、ビジライザー越しにみると全く別の世界だった。
ウォーロックはトランサーから飛び出した。
「すごいノイズだ…」
「全くだ。だがここで争ったなら、やった奴はともかく、やられた奴は何処にいる…?」
「…まさかさっきの車!...ッ、もう遅いか」
スバルは振り返るが、既にもう遅かった。
さっきの車に乗っていた者だったなら、逃げるようにして去っていった理由も納得がいく。
「とにかく始発の時間が来て人混みが来たら手に負えない。早く手がかりになりそうなものを探そう」
「しかし…派手にやってくれたみてぇだな」
赤黒いノイズが濃い部分をビジライザーを外して見ると、柱に何かがめり込んだ跡があったり、タイルが砕けてヒビが入っていていたり、凄まじい戦闘が行われた形跡がある。
それにプラスチックのような赤い何かの欠片が所々に飛び散っていた。
「何だろ、コレ。何かの欠片みたいだけど」
「ノイズが漏れてやがる…何だこりゃ…」
「何かが砕けたのか…」
「ん?オイ!スバル!!」
「どうしたの!?何かあった!?」
「人間が倒れてやがる!」
柱の後ろには倒れている20歳前後の女性が倒れていた。
スバルは慌てて駆け寄った。
「大丈夫ですか!?酷い怪我だ…救急車…」
「うぅ……痛い…」
「何があったんですか!?」
スバルは
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ