12話 満ちた時の果てに・・・ 11.20
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」
「本当のララァ?」
アムロは首を傾げた。嘘も本当もララァは目の前にいる。それ以上もそれ以下もないと思った。
しかし、ララァは違うと言っている。ララァはその疑問にも答えた。
「私はアムロとシャアに作られた存在。本当のララァは私の心の中でキチンと生きている。例え私が消えたとしてもその経験は補完されて生き続けるのでたいして問題ではないわ」
「すると、オレは・・・本当のオレが心の中にいるのか・・・」
「そう・・・本当のアムロも貴方の中にいる」
ララァはアムロにそう告げた。アムロは天井を見上げ「そうか」と一言言った。
そしてララァはシャアに語り掛けた。
「でも、貴方は違うみたい。魂は同じだから貴方にも私が流し込んだ体験を飲み込めたと思うけど・・・」
シャアはララァの言うことに同意した。
「そうだな。私の先の14年間をララァに見せられたみたいだが、どうやらアレは私であって私でないな・・・」
シャアはため息をついて、話続けた。
「あのシャアはとても切ない。そして孤独だ。今の私にとって見ればあのシャアは在り得ない。決してそうなることはないだろう」
ララァもこくりと頷いた。
「そう。貴方はこの世界の本当のシャア。最初に強く感じたのは貴方の方だった。貴方は器だから探し易かった。色々過ちを犯さないように気が付いてからずっと見守っていた。でも途中で疑問を感じた。貴方は本当のシャアだったから。私が感じるにこの世界のどこかに救わなければならないもう一人のシャアがいると思うの」
「もう一人のシャア?」
アムロが反応した。ララァは再び頷く。
「そう。そして、そのシャアはとてつもなく不安定なものとなっている。何故ならば本来の器とは違う入れ物に入っていると感じるの。そしてその器には色々な14年間の不純物も混ざり合ってしまい、そのシャアが壊れてしまっていると思うの」
ララァは悲しそうな顔をした。そして話を続けた。
「私の願いは私たちの中で一番報われない人を救うこと。貴方たちが私を生んだ理由はシャアを私の手で包みこんで一緒に昇華すること。それで私たちのこの世界での役目が終わる。後は本来のアムロとララァに戻る。そしてこの世界は生き続ける」
アムロは自分がイレギュラーなのは知っていたが、その存在理由がララァからもたらされた。
そのことについてアムロはすぐには心の整理がつかないでいた。
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