12話 満ちた時の果てに・・・ 11.20
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女を布で覆いおぶって自分の宿泊するホテルへ連れて帰って行った。
* カンプル市内 11.23 10:00
アムロは市街地を散策していた。休日だったのか人通りが激しく賑わいを見せていた。
「結構栄えた街だな」
アムロは露店でタコスを注文し食べ歩きながら散策していると、目の前に女性の衣類のメーカー袋を下げたシャアとばったり鉢合わせた。お互いに気が付き驚いた。
「驚いた・・・まさか君がこの街にいるとは・・・」
「ああ、オレもだ・・・」
アムロは紙袋をみて、女性ブランドのものと分かりシャアに質問した。
「しかし、シャアさんにそんな趣味があったとは・・・」
「フッ、私のではないよ。ある女性のためのものだ」
「そうか」
アムロがそう言うと、シャアは付け足し述べた。
「アムロ君。今の私は連邦軍大尉クワトロ・バジーナだ。その辺ご理解いただくよう宜しく頼む」
アムロは久々にその偽名を聞いた。この周辺はすべて連邦の管理下にあった。故にシャアは偽造の身分証が必要だった。最もその偽造は見破れない程の精度だった。
「わかりましたクワトロ大尉。それで聞いても良いかわかりませんが、どちらに行かれるのですか?」
「ああ、宿に戻ろうと思ってな。君も来るか?あれから私もいろいろ考えたのだが、君の助言もあって今までの自分とは変わった気がするよ。今後の指針も君の意見を多少なりとも参考にしたくてね」
「いいでしょう。休暇で暇ですから」
アムロはシャアの宿まで一緒に付いて行った。
シャアの泊まる宿は市内でも有数な高級ホテルであった。シャアはその部屋の上の階のツインルームを取っていた。当初はシングルだったが一人増えたためそこに移した。
アムロは横たわっている少女を見て驚いた。しかし、表立ってその表情を出さなかった。
シャアはその少女について話し始めた。
「ある娼婦宿で見つけた。この子は薬物を盛られていたらしい。私のつてで医者を探し、多少なりとも治療できたがすべてが非合法故に表立って入院もさせることができない。だからここで休んでいる」
「そうか・・・」
アムロは部屋の空いている椅子に腰を下ろし、その少女を見て安堵した。
シャアは見つけると思っていた。これはシャアは運命なんだなとアムロは感慨深く思っていた。
しばらく経つと少女は目を開けた。周りを見渡して隣にいたシャアに質問した。
「ここは・・・」
「・・・気が付いたか。ここは市内のインペリアルホテルの私の部屋だ。元々日本という国のホテル産業がこのカンプルへ支店として建てたらしいが・・・」
「そう・・・貴方は・
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