12話 満ちた時の果てに・・・ 11.20
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りを覚えた。連邦政府に対して。
政治の腐敗で戦争でこのような現状がこの姉妹たちにも降りかかったのだろう。
地方の状態はもっと酷い。
この地球に残った貧困層の移民を実施し、コロニーで特権階級に支配されないような環境、行政の体制を作り、できるだけ皆が笑える社会を実現できればとシャアは思う。
全員が幸せになるとは驕りだ。この姉妹の笑顔が見れるくらいは実現できても良いのではないか。
アムロの言葉も響いていた。1人でできることには限界がある。周囲の協力を求めればより大きなことができると。
「ああ、そうだな。この戦争や連邦政府、ジオンなど、括りが大きすぎるのだ。私ひとりではどうにもならない。有志、同志を見つけてやることだ」
シャアは自問自答をスラム街の現状を歩き把握しながら、市街地へ戻っていった。
この頃のシャアは冷静そのものだった。父の思想(父としては余りに失格だったが)、彼の政治活動はこの戦争の引き金になるくらい大義があった。
シャアは思想を受け継ぐ一人のスペースノイドであり、地球の特権階級に支配される抑圧される人々を一人でも救いたいと思った。戦争や闘争という手段は害でしかない。それをして手をこまねいている間に貧困層の不幸が増えていく。
政治手段で少しずつ訴えながらも、民間と協力して1日でも早く彼らを宇宙に上げる。
国の力は人口だ。マンパワーなくして発展成長なども見込めない。貧困層も環境を用意し結託すれば彼らなりに生活圏を作り上げるだろう。
1日1食パンのみが3食パンのみになる。それぐらいの進歩でもいいのだ。そのうちステーキを食べれるようになるだろう。
それを切り捨てている今の連邦には到底叶わぬ願いだ。どうしても数字だけを見てしまう。合理的だがそれはこのような人たちを見ない振りをしている。人類の革新、あらゆる可能性を自分たちで目を摘んでいる。
気持ちはわからないことでもない。特権は人の心を腐らせ、保身に走らす。政治家は表向きは公明正大でなくてはならないが、スポンサーがこれもまた保守的な富裕層が多い。
貧困に陥ったひとたちは戸籍も失われ、選挙もまともにいけない現状である。そしてそれを取り扱わない行政。悪循環だった。
シャアもその辺はある程度無視を決め込むと考えた。何せ規模が規模だ。貧困層だろうが特権階級、富裕層だろうが両者とも億単位の数だ。それらを説得するのは並大抵のことでない。
「この休暇を終えたら、ガルマにでも相談するか」
シャアはそう思い、道中昼間から開いているバーにより、ビールを1杯頼んだ。
「へい、お待ちどう。あんたここの人じゃないね」
「ん?どうしてわかる」
「この辺はまあ良くてもまだ日雇いの労働者のたまり場だからさ。そ
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