9部分:第九章
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した。
「アフリカにはそんな巨大なネコ科の生物はいませんがねえ」
「ライオンも虎よりは小さいですしね」
「はい、虎にしろ一番大きいのはシベリアの虎ですよ。動物というのは寒い場所の方が大きくなるのです」
「それはそうですが」
ゾウアザラシにしてもキタゾウアザラシのほうがミナミゾウアザラシより大きい。人も南方の人より北方の人の方が背が高い。欧州においてイタリア人とノルウェー人では背丈がまるで違う。
「アフリカには熊もいないと言われていますし」
これははっきりしない。いるのではないかという説もある。
「ましてやそこまで大きなネコ科となりますとねえ」
「心当たりはありませんか」
「残念ながら。本当にそこまで大きかったのですか?」
逆に尋ねられた。
「はい、それはもう」
「嘘を言っていると思われるのですか?」
僕達はそれを否定した。
「いえ」
彼もそれはわかってくれたようである。
「どうやら本当のようですね」
「そうなんです。僕達もこの目で見てまだ信じられませんから」
「本当に驚く程大きかったですよ」
僕達は口々に言った。
「それにしても熊のような大きさですか。かなり厄介ですね」
彼は顔を再び顰めさせた。
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