4部分:第四章
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第四章
僕は宿にしているホテルに泊まった。この国ではかなり高級なのだろう。クーラーまである。
「さてと」
僕はシャワーを浴びベッドに入った。夕食はクスクスをワインで流し込んだ。クスクスとは小麦粉の粉の上にカレーに似たソースをかけて食べる料理である。美味い。それと駝鳥の肉だった。最近日本でも食べられるがここの方がよく食べるのだろうか。
そのまま眠ろうとした。ここで部屋の電話が鳴った。
「はい」
誰だろう、と思ったがまずは出た。それはガイドからだった。
「明日の予定ですか?」
僕はふとそう思った。だが違った。
「そんなんじゃありませんよ」
その声は不自然な程震えていた。
「どうしたんですか、追い剥ぎにでも遭ったのですか?」
この国ではまだそうした輩が出る。治安はまだいいとは言えない。
「追い剥ぎだったら私が叩きのめしていますよ」
「ハハハ、そうでしたね」
彼は腕っ節が自慢である。実際に腕相撲や力比べで負けたことはないらしい。
「人間相手だったらいいんですけれどね」
「まさかとは思いますけれど」
僕はその言葉を聞いて悪い予感がした。
「今さっき見たんですよ」
「何処ですか!?」
僕はすぐに尋ねた。
「そちらのホテルから暫くいった公園のところです。私もいますよ」
「すぐ行きます、気をつけて下さい」
僕はそう言うと着替えてホテルを出た。そしてガイドが言った公園に向かった。
公園まで駆けた。そして入口に辿り着くとガイドが待っていた。
「速いですね」
「駆けてきましたから」
僕は息を整えながら答えた。
「そしてムングワは」
「静かに」
彼はまだ息の荒い僕を宥めながら言った。
「着いて来て下さい」
そして僕を公園の中に案内した。
「最初は私も見間違いだと思いましたよ」
彼は少し恐怖に震えながら言った。
「本当に見間違いなんじゃないんですか?」
僕は少しからかうつもりで言った。実際に彼は結構お酒が入っていた。
「そんなこと仰るんですか!?」
だが彼はそれに対し不快感を露わにした。
「言っておきますが私はお酒には強いんですよ。どれだけ飲んでも自分を見失うことはありません」
「そうですか」
口では半信半疑なふうに言ったがそれは本当のようだ。見たところ言葉も普通だし足取りも確かだ。
「だから余計にこうして言うんですよ、大体・・・・・・」
「それでムングワを見たというのは何処なんですか!?」
長くなりそうだったので僕はそれよりも前に尋ねて言葉を打ち消した。
「はい」
彼もそれで話を中断した。
「あちらです」
彼はそう言うと茂みの中を指差した。深い木々に覆われている。茂みというより藪だ。それもかなり深いものだ。
「この中に入るのですか!?
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