4部分:第四章
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」
見たところかなり危険だ。蠍や毒蛇が潜んでいそうだ。
「いえ、中に入ったら向こうの思う壺です」
彼は手を横に振ってそれを否定した。どうやらムングワはこの中にいるらしい。
「相手はライオンや豹よりずっと悪質なんですよ。こんなところで襲われたらひとたまりもありません」
「ですね」
ネコ科の多くは木の上からの攻撃を得意とする。ライオンや虎も木の上に登る。それを考えると茂みの中に入るのは極めて危険だ。木の上からでなくともこの深い藪では隠れるのも容易だとすぐに察しがついた。
「道から見ましょう。いいですか、何かあったらすぐに撃ちますよ」
彼はそう言うと懐から拳銃を取り出した。
「はい」
僕は残念ながら拳銃は持っていない。だがナイフ位は持っていた。護身用に現地で買ったものだ。よく切れる。
「あまり使いたくはなかったのですがね」
「そんなことを言っている暇じゃありませんよ」
ガイドは僕の言葉を否定した。確かにそんな悠長なことを言える相手ではない。何しろ何人も殺されているのだ。
僕はガイドに連れられて道を進んだ。ガイドは茂みの中を探り続けている。
「いました」
そして足を止めた。同時に懐から拳銃を取り出した。
「ここですか」
僕も覚悟を決めた。そしてナイフを左手に持った。ゴクリ、と喉が鳴った。
茂みの中を見る。見れば暗闇の中に何かが蠢いていた。
「あれが・・・・・・」
頭部を下に向けている。こちらに背を向けるかたちだ。見たところ何かを食べているようだ。
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