1話『堕天使と復讐者』
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に置き、スマホを持って屋上に行く。
たいていの日は誰にも邪魔されずに、屋上で寝ることができる。
「………またサボりですか?夜鞠君」
どうやら今日は先客がいたようだ。
「………まあ、その通りだな。生徒会長」
屋上にいたのは、この駆王学園の生徒会長である支取蒼那だった。
「はぁ〜。あなたは何度注意してもサボるのを諦める気はないんですね」
「必要最低限の授業には出席してるしな。それに、テストの方もそれなりにできてる筈だ」
「学年3位でそれなりですか。他の生徒からしてみれば羨ましいものですね」
それなりの勉強は事前にしておいたから、今の授業は受ける気がない。
正直にいえばそうなる。
「内容が簡単なだけだ」
「では、一日ぐらいちゃんと授業に出席してください」
「丁重にお断りします」
「…………では、ここではなくせめて生徒会室に来てください」
「一般生徒に生徒会の仕事を手伝えと?」
「いえ、せめてサボるのなら生徒会の監視のもとでお願いしますということです」
(生徒会長がサボりを見逃すのはどうかと思うが…………)
俺は内心、そう思いつつも考える。
「…………遠慮させてもらう。今日は一人になりたい気分なんだよ」
「何かあったんですか?」
「探してたものの手掛かりをやっと見つけたんだよ。だから、落ち着きたい。そんなことは生徒会長にだってあるだろ?」
「ええ。……そういうことなら今日は、見逃します」
「ああ、ありがとう」
俺がそう言ったのを聞くと、生徒会長は屋上から出ていった。
(………はぁ、悪魔の前じゃどうも落ち着かない。さっきもいつ、殺しにかかるかわからなかった)
俺は生徒会長が出ていったのを確認すると、そう思っていた。
俺がこの駆王学園に編入したのは、一年の二学期から。
そして、俺がこの学園の悪魔に気づいたのは一年の冬頃だった。
最初は間違いだと思っていたが、生徒会長と接触した際に間違いではないと確信した。
俺は父さんと母さんが殺されたあの日、二人を殺した悪魔と堕天使の気配のようなものを感覚が覚えてしまっていた。
だから、生徒会長が悪魔だということに気づいた。
だが、ここには生徒会長以外の悪魔も存在している。
いずれはその悪魔とも戦うことになりそうだ。
だが、全てはあの悪魔と堕天使を見つけてこの手で殺すため。
「フ、フフッ、フハハハハハハハ!やっとだ!ようやく仇を!」
(兵藤には悪いが、あの女には情報を聞き出して死んでもらう。全ては復讐のために!
)
俺は改めてその事を決意し、午前の授業を全て屋上でサボっていた。
そして、現在は昼休み。
俺
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