Fate/stay night
1158話
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
いているのかは理解出来るが、俺はそれに構わず、ランサーの様子を警戒しながら口を開く。
「命を懸けたやり取りをするとは聞いてなかったが? 俺のルールブレイカーはともかく、お前の刺し穿つ死棘の槍……ゲイ・ボルク……ゲイ・ボルク!? じゃあ、お前の真名は……」
「宝具が有名だってのも悩みどころだな。知名度補正があるとは言っても、ちょっとやり過ぎた。ああ、俺の真名はお前の予想通りクー・フーリンだよ」
「そうか。……まさかそんな有名人が来るとはな」
まぁ、バーサーカーがヘラクレスだったし、アサシンは佐々木小次郎だったんだ。その辺を思えば、クー・フーリンがいても不思議じゃないか。
ただ、それよりも問題は……
「それで? 俺の宝具とは違って明らかに殺傷能力の高い宝具を使った言い訳を聞かせて貰おうか」
その言葉に、クー・フーリン……いや、ランサーは頭をガリガリと掻きながら溜息を吐く。
「今更俺が何を言っても無駄だけどよ、どうやら俺のマスターが何らかの手段でこっちの様子を窺っていたらしい。でもって、ちょうどさっきのタイミングで宝具を使ってお前を確実に仕留めろって令呪でな」
「……令呪、か」
確かにそれなら可能性は十分にある。
どうやってこっちの様子を窺っていたのかは分からないが、サーヴァントである以上は令呪を使われれば逆らう事は出来ないだろう。
もしかして、このグラウンドに来た時から感じていた念動力が知らせてきた危険ってのは、この事か?
なるほど、確かにどんな効果があるのかは知らないが、ランサーのマスターが俺を殺すつもりで放った一撃だ。
混沌精霊としての能力である精神コマンドがなければ、恐らく今の俺は死んでいたんだろう。
そう判断した瞬間、俺は近くで話を聞いていた凛と綾子を背中に庇う。
令呪というのは全部で3画。今までにランサーが何度令呪を使われたのかは分からないが、凛みたいに今まで使っていなかったという事も考えられる。
となれば、再びさっきの宝具を使われる可能性がある訳で……それを心配しての行動だったのだが、何故かてランサーはキョトンとした表情を浮かべて俺に視線を向ける。
「何してるんだ?」
「お前のマスターが再度令呪を使わないって保証はないだろ?」
「……何言ってるんだ? お前があのルールブレイカーとかいう宝具を使って、俺と綺礼の契約を切ったんじゃねえか」
……は?
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ