Fate/stay night
1158話
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はなく、その場でピタリと止まり……次の瞬間にはその状態から一気に横薙ぎの一撃へと変わる。
こちらの脇腹目掛けて振るわれる槍の柄の一撃に、俺が出来たのは咄嗟に左腕を胴体と槍の間に差し入れるだけだった。
「ぐおっ!」
激しい衝撃を受け、そのまま真横へと吹き飛ばされる。
空中で体勢を立て直し、足を地面に擦りながら体勢を整える。
腕は……痛みはあるが、骨が折れたり筋がどうなったりしている訳ではない。
あるのは純粋な痛みのみであり、これは魔力を使えば回復するのはそう難しくはない。
左腕で庇った胴体は……あるのは左腕を突き抜けた衝撃による若干の痛みのみ。
それを理解した時には、既にランサーはこっちに向かって追撃を繰り出すために地を蹴っていた。
当然だろう。純粋な能力差では向こうに勝ち目はない。そうである以上、こっちの意表を突く必要がある訳で……
けど、そう簡単にさせるか!
「ぐっ、なに!? ちぃっ! 避け! 刺し穿つ……」
何やら戸惑いながらも、周辺の魔力を貪欲に吸い取りながら真名解放を……本気か!?
「愛!」
「死棘の槍!」
俺が精神コマンドを使うのと、ランサーが宝具の真名解放を行うのは殆ど同時だった。
そうして放たれた宝具による一撃だったが、俺の精神コマンドは魔術の常識すらも覆す。
振るわれた槍の一撃が俺に命中するよりも前に、愛の効果の1つでもあるひらめきが発動。
放たれた槍が不思議な何かにより強制的に攻撃を外すのを見ながら、愛の効果の1つでもある加速を使い真っ直ぐにランサーの懐へと入り込む。
そっちが先に宝具を使ったんだ。なら、恨むなよ!
懐の中から刀身が歪に曲がった短剣を取り出し、魔力を流しながら真名解放を行う。
本来なら、担い手のみが可能とする真名解放。
だが、何故かこの時の俺は、それが出来るという絶対的な確信を得ていた。
「破戒すべき全ての符!」
同時に振り下ろされたその短剣の切っ先は、愛の中に含まれている必中と熱血の効果もあり、何の抵抗もなくランサーへと突き刺さる。
同時にランサーの身体……正確にはルールブレイカーが突き刺さった場所を中心にして、赤い光が周囲を眩く照らす。
そのまま数秒。
お互いが特に身動きもせずに黙り込む。
「アークエネミーッ! 大丈夫!?」
「アーク!」
沈黙を破ったのは、今のやり取りを見ていた凛と綾子。
急いでこっちの方へと向かってくるのを手を出して制止し、ルールブレイカーの刀身を抜きながら、ランサーとゆっくりと距離を取る。
「……お前、今のは一体……宝具の真名解放を、担い手でもないのに使えるってのか……?」
何故か呆然とした様子で、信じられないと呟くランサー。
何に驚
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