Fate/stay night
1158話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に連続して放たれる突き。
おいおい……
「これが本気の戦いじゃないって、忘れてない……かっ!」
ランサーが槍を引き戻すのに合わせ、魔力放出を使って一気に距離を詰める。
元々の俊敏性や素の身体能力だけでかなりの速度を放っていた俺だったが、今はそれに魔力放出というのも加わっている。
魔力EXであるだけに、その速度は格段の向上を示す。
「ちぃっ! その攻撃に全く当たらない奴が何を言うんだよ!」
自分が一方的に攻撃していたというのに、次の瞬間には俺が間合いの内側に入っていることに気が付いたのだろう。さっきの突きのお返しにと胴体へと向かって放たれた拳を、ランサーは手元に戻した槍の柄で受け止める。
「ぐぉっ!」
ギンッという、とてもではないが金属と拳がぶつかったのではない音を派手に鳴らしつつ、ランサーは後方へと大きく吹き飛ばされて……いや、違う。殴った手応えが軽かった。派手に吹き飛ばされたように見えるが、自分から飛んだな。
「俺の拳を受けて、全く被害を出さないとは……やるな」
「へっ、何がやるな、だよ。何だその馬鹿げた力の強さは。相変わらず狂った身体能力してやがる。痛っ、一撃で手が痺れやがった」
そう告げながら、手の痺れを取る為なのだろう。再びランサーは持っていた槍を振り回す。
「はっ、良く言う」
「そうかい? まぁ、そうかもな」
お互いに言葉を交わしながら、相手の隙を伺う。
そんな中、こっちを挑発するようにランサーが口を開く。
「それにしても、素手ってのはどういう事だ? あのスライムだったか? あれも使ってないし、何よりさっき嬢ちゃんから受け取っていた、ルールブレイカーだったか? あれもまだ使ってないように思えるが?」
「そんなに急かすなよ。まだ戦いは始まったばかりだろ? それに、俺の手札だけを見ようってのはどうなんだ? お前も槍を使った普通の攻撃くらいしかしてないじゃないか」
「へっ、どうだかな。それを見たかったら、もう少し俺に付き合って貰おう……かっ!」
完全に手の痺れが取れたのか、吹き飛ばされた結果俺から距離を取ったランサーが再びこっちとの間合いを詰めるべく近づいてくる。
そして突き出される穂先。
先程と全く同じ攻撃に少し呆れながら、それでもこの攻撃を食らえばこっちに大きなダメージが来るのは当然であり、その攻撃を回避する。
胴体を狙って突き出された突きを左半身を後ろに引く事で回避し……だが、そこからが違っていた。
本来であればすぐに手元に引き戻し、再び突きを放っただろう。
だが、何故か突き出された槍の穂先は回避した俺の真横に存在したままであり……
瞬間、念動力が危険だと教える。
突き出されたままの槍の穂先が手元に引き戻されるので
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ