第十一話「オー・シャンゼリゼ」
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、えっ!?」
しかし、シャルルは驚いて動揺。そのとき、ふと誰かの手がグイッとシャルルの手を掴んだ。
「ねー、僕とペアを組もうよ?」
「え?」
シャルルの目前には、謎の美青年が笑みを浮かべて立っている。しかし、突然の彼の登場によって周囲は騒めき始めた。
しかし、服装が妙だった。ジャケットにショルダーアーマーと肘、膝にプロテクターを付けた、まるでコスプレのような身形である。
「誰だろ? あの人……」
「あの格好、コスプレ?」
「うわぁ〜 凄くカッコいい!」
「そこ、何をしている!? ……ん?」
千冬が先ほどから騒めいている塊の中を見ると、そこには見知らぬ青年がシャルルの手を掴んでいるところを見た。
「おい、何者だ?」
「……?」
振り向く青年の前には、険しい顔でこちらを見る一人の女性が仁王立ちしている。
「酷いなぁ? 本日付でこちらへ来ることになった転校生ですよ?」
「転校? ああ……しかし、何故一時間以上も遅れた?」
ホームルームには、シャルルしか来ておらず、もう一人来る予定だった男子生徒は現れなかった。
「はぁ……途中途中で警備員の人たちに足止めされまして、信じてくれるのに大変時間が掛りましたよ? 連絡するよう頼んでも聞いてくれませんので」
ニタニタと事情を説明する青年に千冬は溜息をついて頷いた。
「……わかった。後で厳しく注意しておく、では……早速だが、自己紹介でもしておけ」
と、千冬は言うことだけのことを言って彼の詳しいことは生徒達に何も説明しなかった。
――やれやれ、あれでも教師かね? まるで軍人だよ……
千冬を、必要最低限の行動と物しか言わない冷徹な軍人のように青年は捉えた。
しかし、彼は気を取り直しすと笑顔で生徒達に向かって自己紹介を行った。
「初めまして、シャルル君と同じフランスから来たラルフ・ヴィンセクトといいます。よろしくね?」
その、王子様スマイルに女子生徒はシャルル登場時同様の歓声を上げた。
「カッコいい! 超イケメン〜!!」
「リアル王子様〜!」
――ああ……メス豚共がヴヒヴヒうるせぇ〜
作り笑いの裏側には、そういう黒い感想を抱いて、彼は再びシャルルを見た。
「やぁ? 君がシャルル・デュノア君かい? 僕と同じ男性操縦者なんだね? ま、同じフランス人同士だから、仲良くやろうよ……」
そう、ニッコリと笑みを浮かべてラルフはシャルルへ手を指しのばした。握手だ。
「ど、どうも……こちらこそよろしく?」
しかし、シャルルはラルフを見た途端に妙な胸騒ぎが起こり、控えめな表情をして彼の手を握った。
「何だ? アイツ……」
俺は急に現れたイケメン野郎に親指を向けた。
「彼は、フランスの『筆頭RS』の一人で……確か、ラルフ・ヴィンセクトというメンバーだよ」
と、清二が詳しく説明する
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