第十一話「オー・シャンゼリゼ」
[9/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もしれない。
「それに、近頃はフランスのデュノア社が怪しいっていう噂が海外の仲間から聞いた。苗字が被るし、ひょっとしたらあのシャルルって……」
「終わったよ?」
と、太智が言い終える前にシャルルが更衣室からISのピチピチタイツを着て出てきた。
「ああ、着終わったか? それじゃあついて来いよ?」
俺たちは、シャルルをアリーナまで案内する。
「うわぁ〜! すごーい!!」
人工島の中にこのような大型アリーナがあるとは実にスケールがでかい。現に俺も初めて見た時は驚いたものだ。今見ても``無駄``に立派なものだと呆れてしまう。
「あれが第三アリーナ、主にISの実技や模擬戦を行ったりする場所さ?」
そう、清二が解説しながらシャルルの隣を歩いている。彼の柔らかな口調の説明で心を落ち着かせるシャルルは、彼に様々な質問をしてくる。
清二は、性格的に温厚な部分もあるからIS学園の女子たちが俺たち男性の中で気軽に話しやすい相手と言ったら彼しかいない。優し気な口調の他にも、その大柄で太った体系から女子たちから「大きなクマさん」というあだ名で親しまれている。
「ところで……皆は着替えないの?」
シャルルは、自分だけパイロットスーツを着ているというのに周囲の男性らは皆黒い制服? を着たままである。
「ああ、俺たちのISは従来と違った形をしているから別に着替える必要はないんだよ?」
と、清二が答えた。
「へぇ……便利だね? あのタイツみたいなスーツ、すごいキツイから着替えるのにも一苦労なんだ」
シャルルは、未だ慣れないこのタイツ状のスーツを身て顔を赤くした。
「はは……確かにそうだね?」
清二が苦笑いする一方で、太智は嫌そうな目でシャルルのスーツを見下ろした。
――冗談じゃねぇ! あんなピチピチタイツなんか着てられっか!!
そう思いつつ、彼はシャルルの身形を睨みつけた。
*
「それでは、各自ISを展開しろ!」
千冬の号令に生徒たちはISを展開するよう強く念じ始める。しかし、一同は数分も遅れて展開に戸惑っていた。あの、セシリアでさえも展開に踏ん張りながら数十秒かけてブルーティアーズを纏う。
「遅いぞ! 何をもたついている!?」
千冬が怒鳴っている一方、俺たちは一瞬で展開する。RSは、ISと比べて展開に念じるなり何なりする必要性はない。必要となれば「普通」に展開できる。
「お、シャルルも展開早いな?」
一夏は、自分たち同様に展開を早く行えたシャルルに感心していた。
「えへへ……まぁね?」
「各自、展開し終えたならそれぞれペアを組んで模擬戦へ移れ!」
次なる千冬の指示によって女子たちはそれぞれペアを選び始めるが……その前に女子全員が一斉にシャルルを囲って、彼へ手を指し伸ばした。
「「シャルル君! 私たちとペアを組まない?」」
「え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ