第十一話「オー・シャンゼリゼ」
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にできたのなら、その俺を見下す彼女にもできるはずだと言いたいのだ。
「あんなの、単なるマグレよ! そうよ、運の強さに決まってる!!」
彼女は、どうしても俺がセシリアに実力で勝った事を認めたくなかったようだ。
「……そうか、それならそう思ってくれても構わないよ?」
「ええ、そうするわ? 『男』であるアンタが、イギリスの代表候補生に勝てるわけないものね? どうせ、相手のISにトラブルか何かがあったに違いないわ?」
「……いいえ、あの戦いは私の完敗で終わりましたのよ?」
「!?」
舞香が背後からの声に振り向くと、そこにはセシリアが仁王立ちして彼女と俺を見ていた。
「セシリア?」
俺が首を傾げるも、彼女は舞香にこう言う。
「あの戦いは、私の完敗でしたわよ? 貴女の御兄様は、最も厳しい条件の中でも最後まで諦めることなく私と戦い、そしてこの私を見事打倒しましたの」
「ど、どうして候補生のあなたが……!?」
やや、尊敬しているような目で舞香は信じられないと、セシリアに尋ねる。
「事実ですわ? 現にアリーナの放送でお分りになられたと思いますけど?」
「でも……コイツは!」
「舞香さん? 自分の御兄様を『コイツ』と、言ってはいけませんよ?」
と、セシリアは厳しい目と力強い口調で舞香に注意した。そんな彼女に舞香は引きさがり、機嫌を悪くしながら速足でこの場から立ち去った。
「……セシリア、悪いな?」
フォローしてくれたのはありがたいが、でも何故彼女がそのようなことをしてくれたのか?
「か、勘違いしないで下さる!? 一様……フェアーじゃない試合状況の中で、私に勝った事は奇跡としても、一様実力として認めるわけでして……それに、あの時貴方に助けてもらったこともありましたし、借りを返そうかと……」
なにやら、顔を赤くして彼女は恥ずかしがっていた。
「そうか……まぁ、一様ありがとな?」
それだけ言うと、俺は彼女に背を向けて部屋へ戻った。しかし、俺の発したそんな一言がセシリアの耳に印象深く残っている。彼女は、ふと目を見開いたまま顔を赤くしながら俺の後ろ姿を見続けた。
「……」
――何ですの? たかが、狼さん何かにドキドキして……
一瞬、彼の姿が素敵に見えたが、気のせいだと彼女はそう自分に言い聞かせる。
*
「やれやれ……せっかく、学園へ来たっていうのに早々喧嘩になっちゃったよ?」
ようやくIS学園の正門前へたどり着いたというのに、女性の門番に早々捕まり、学生所を見せても信じてもらえないから、上層部へ連絡させるよう頼んでも、門番は男だからと個人的な嫌がらせで連絡してくれないし、仕方がないので後頭部へ改造スタンガンを食らわせて失神させてもらった。
その間にメモリー消去装置を使って先ほどの接触時の記憶を消させてもらい、彼女を担いで適当に居眠
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