暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
第十一話「オー・シャンゼリゼ」
[12/12]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
んのか? でも、笑ってんぞ!?」
笑いながら疲労や負担もそっちのけで猛攻を繰り広げるラルフは、俺たちから見て普通ではなかった。
「な、何なの……!?」
無論、シャルルから見てISがこのような動作を取ることはできない。もう、人間業ではないのだ。
「そこだぁ!」
ランスロットの猛攻に対し、防御することしか出来ないシャルル。そして、そんな彼の首をラルフの片手がガシッと掴んだ。
「オラァー!!」
そのまま、シャルルを地面へ叩き付けた。周囲に土煙が舞い上がって視界が一瞬塞がるが、煙が去った頃には、既にラルフがランスロットの先をシャルルの首筋に添えて抑え込んでいる光景があった。
シャルルが、彼とペア戦を始めてからわずか数十秒で起こった出来事だ。
――そこそこ訓練を積んでいるようだが、咄嗟の状況判断が遅いな? それと……
シャルルの弱点を分析し、そしてつまらなそうな目でラルフは彼女を見下ろし、もう一つ気付いた点を彼女に対して囁いた。
「女、か……」
その目は、まるで冷たく冷酷そのものを意味していた。
「ッ!?」
シャルルは、彼の発するその一言に目を見開いた。
「お前たち! 誰がそこまで暴れろと言った!?」
あまりにも激しい対戦ゆえに千冬が険しい表情で駆け寄ってくる。
「ラルフ、授業早々に何をやらかした?」
千冬が問う。
「いえ……少し、本気を出したまでですよ?」
ニヤリと笑むラルフは、何事にも動じずに千冬へと顔を向けた。そして、わずかにシャルルの方へ振り返ると、再びあの冷酷な視線を向ける。
「……」
その視線に、シャルルは謎の恐怖心に見舞われる。
――その柔肌と匂い、誤魔化そうとも無駄だ。大方、RSの情報を盗みにでも来たコソドロか? まぁ……しばらくの間は泳がせておくとするか。殺すのは、それから出も遅くはない。
ラルフの視線は、千冬へと戻った。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ