第十一話「オー・シャンゼリゼ」
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「筆頭RS?」
しかし、初耳の用語もあるため俺は首を傾げた。
「うん……俺たちみたいな従来のRS装着者よりも格段に強い、エリート部隊ってやつさ?」
「エリートね……?」
正直、あまり好きじゃない用語だ。自尊心が高く、俺のような人間を見下しては笑う嫌な奴っていうイメージが強い。
「ま、エリートといっても表向きはそう言われているだけであって、影じゃあ裏政府の要人共から色々とヤバいことさせられてんだと? ああ見えて、俺たち以上の苦労人なんだぜ?」
「そうなのか?」
話に割りこんできた太智へ、俺が振り向いた。
「そうそう、前なんかロシアのISのエース五人を暗殺したって噂さ? 国じゃ公表していないにせよ、裏じゃ有望なIS使いが次々に奴らの手によって殺されているんだと?」
清二も太智同様に言いだす。
「じゃあ……そんな凄いのがシャルルに照準を合わせたってことは……」
一夏も、その話題の中に入っていた。そして、ヤバそうだといわんばかりの顔でシャルルを見る。
「ああ……コイツは臭うぜ?」
と、太智は眉間にシワを寄せる。
「お互い、最初は手加減なしでやり合おうよ? いいでしょ?」
平然とした口調で対戦ペアのシャルルへそう述べるラリフ。そんなラルフにシャルルは戸惑う顔をするも、ラルフに関する胸騒ぎが気のせいだと己に言い聞かせて、静かに頷いた。
「じゃあ……」
ラルフは、静かに片手を広げ、掌を地面へ向けて伸ばした。その掌からは光の陣が浮かび上がり、陣から粒子を放ちながら黄金に輝く双剣が現れた。その剣を展開した掌でガシッと掴むと、万弁の笑顔を浮かべた。
「……いくよぉ!?」
「ッ!?」
シャルルが気付いたころには、ラルフは既に自分の間合いへと近づくと双剣を両手に軽く振りまわした。
「くぅ……!」
しかし、それもつかの間にシャルルはバックステップでギリギリに避けた。
「へぇ? やるね……か弱そうな表情してたから、ちょっと小手調べをやったんだけど……まぁ、その様子じゃ、問題ないよね!?」
笑みを絶やさず、ラルフは己のRS、「ランスロット」を両手に握りしめ再びシャルルの元へ突っ込んでくる。シャルルは、アサルトライフルを構える余裕すらなく彼の猛攻をくらった。
「オラオラァ!!」
何重にも見えるかのように双剣を乱れ突くラルフの猛攻は周囲の目を丸くさせた。
「お、おい……あんなマンガみたいな攻撃、RSにできたのか!?」
俺は、そう清二に囁いた。
「鍛錬を続ければ出来るとは聞いたけど……」
と、清二。
「やろうと思えば、俺たちにもできるかもしれないが……だが、かなりの負担と疲労がかかるぞ?」
より詳しく太智が解説する。それを聞いて、俺は呆然とあのラルフという色男を見ていた。
「じゃあ……アイツは、そんな条件を覚悟でやって
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