第十一話「オー・シャンゼリゼ」
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リベリオンズの各国の基地の大半は空中要塞が占めており、強いステルスレーダーの電磁波によって厳重に一般の目から隠されている。
また、ここリベリオンズ・パリ支部も同じであった。
「聞いたかね? 新たなIS男性操縦者が発見されたと?」
司令室にて、その話題となった新聞の表記事を見ながら中年の士官が、背後に立つ一人の若者に尋ねた。
「ええ……噂によれば、デュノア社の者と?」
青年は銀髪にスラリとした体形と共にかなりの美青年である。
「その通り……我々にしてみれば怪しいとしか言いようのない出来事だよ? そこで、君に新たな任務だ」
指令は、青年に一枚のファイルをさしだした。
「これは……確か?」
ファイルに挟まっている書類には、例のデュノア社の男性操縦者と思われる少年の写真が貼られている。
「ターゲットの名は、シャルル・デュノア。詳細は不明だが、噂によればデュノア社長の御子息らしい……」
「内容は、この御子息の抹殺ですか?」
「いいや? そこまで行かんが……君の主な任務は、ターゲットの監視と、その『正体』を暴くことだ」
「正体……?」
青年は首を傾げる。
「そうだ、何しろこのシャルル・デュノア少年は……『少女』なのかもしれんのだよ?」
「まさか……性別を偽って?」
「可能性は高い。もし、それが事実だとしたなら……?」
「デュノア社はお終い……と、いうことですか?」
青年が答えた。
「それもそうだが……それと同時に、あのデュノア社の実権を我がパリ支部の物にすることができる。デュノア社を操り、新型ISの詳細な情報を手に入れられることができるのさ?」
「……開始時間はいつごろに?」
「うむ、明朝の8時に日本へ飛び立ってくれ? 既に日本の裏政府とは話をつけてある。日本へ到着したのちに、IS学園へ向かうといい。もし、門番で足止めをくらった場合はこの偽造の学生証を見せるといい」
指令は、懐から取り出した偽造のIS学園の学生証を、青年に渡した。
「了解、これよりラルフ・ヴィンセクトは明日の明朝午前8時より日本のIS学園へ向かい、ターゲットのシャルル・デュノアの監視の任へつきます」
「健闘を祈る……」
*
日本IS学園にて、
凰との戦いを終えて一安心する一夏と狼達であったが、徐々に迫り来る期末試験によってテスト勉強を余儀なくされていた。何しろ、前回の中間試験で一夏含む狼達男子サイドは全員赤点ギリギリか、赤点ばかりの点数しか獲得できなかったため、夏休みに出てきて補習などという罰は避けるために必死に昼休みに学食で猛勉強をしていた。
「チックショー! 関数ってなんだよ!? 算数の引き算しかできねぇ俺にこんな数学なんていうハイレベルな問題出来るわきゃねーでろ!!」
太智は、髪をクシャクシャにかき回しながら、必死で鉛筆を握っている。
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