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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第40話:誑し・誑させ・誑させず
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しにキレていたウルフは、リュカ様と同じく満面の笑みになって返答する。
「じゃぁ僕は帰って仕事するから、今日はこれで!」
ウルフとの通信を素早く切ると、私たちに笑顔で挨拶をして……シスター・フレアには優しくキスをして、ルーラで飛び立つリュカ様。
「もう……あの子は何時もあの調子だ」
間近まで迫られウットリしてた事に憤慨してたマーサ様が、リュカ様が帰られたのを見送って溜息と共に吐き出した。
満更でも無かった様子でしたけど……?
サンチョSIDE END
(サンタローズ)
フェルマーSIDE
「あの……さっきの方がウルフさんですか?」
リュカさんが使用してた不思議な装置に映し出された方を憶測で尋ねてみる。
「そうだ。君と同じで、あのオッサンの娘に手を出した哀れな男だ」
お、俺も哀れって事ですかね?
「はぁ……どんな方なんですか?」
「見ての通り、あのオッサンの考えを他人より多く理解して、阿吽の呼吸で罠を張り巡らせる有能な男だ」
ティミーさん……真面目な顔で怖いですよ。
「罠ですか……怖いですね。俺も気を付けた方が良いのですか?」
「アンタはもう手遅れよ。既に連中の術中に嵌まったわ」
ポピーさん……何を言ってるんですか?
「フェルマー……貴方さっきウルフさんに煽られて、私の父親を『パパ』って呼んだのよ。もう貴方は私と結婚するしか無い……私が酷い女だとしても、貴方が自ら私の父親の子供になると宣言したの。大変よ、これから」
「べ、別に大変じゃないさ! 俺はフレイの事が大好きだし、リュカさんの事も尊敬出来る。ティミーさんも良い人そうで安心出来るし、ウルフさんは……ちょっと怖いかな?」
あとポピーさんも。
「あんなヘタレ怖くないわよ! 世界で一番怖いのは私達の『パパ』よ。アンタも認めた私達の『パパ』が一番怖いのよ」
いえ、ポピーさんも十分怖いです。ニヤニヤ俺を脅す貴女も怖いですよ!
「と、ところで……リュカさんって何を生業にしてるんですか?」
「あらフレイ……彼には話してないの?」
「う、うん……説明が面倒臭かったし、そういうのは追々知った方が良い様な気がしたし……」
「永遠に知らない方が幸せなんじゃないかな? 僕はそう思うよ」
「私もティミーの意見に同意するわ。無理して聞かない方が良いわよフェルマー君」
ティミーさんが意味深な事を言うと、奥様も同意してリュカさんの事を隠そうとする。
「そういう事よフェルマー。私の父親がどんな人物でも、私は私だから関係ないでしょ」
そう言うとフレイは俺の手を取り見詰めてくる。
ズルいなぁ……こんな可愛い顔で見詰められたら、「そうだね」って言うしかないだろ……
「やるわねフレイ……」
ボソッとポピーさんの言葉
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