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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第40話:誑し・誑させ・誑させず
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っせー”のは治らないよ。でも大丈夫……ほら微笑んでごらん。あっという間に“うっせー美女”に大変身☆」
そう言うとリュカ様は、マーサ様の右頬に手を這わせ口づけする様な勢いで顔を近づける。
「……………」
「いいなぁ」
そのスマートな動作に、マーサ様も思考が停止したらしく、リュリュの一言がなければ、ウットリし続けただろう。
「ちょ、リュカ! 冗談は生き方だけにしなさい」
そう言ってリュカ様を押し退けたマーサ様の頬は、初めてパパス様とキスをしたときのように上気しておられました。
「ところでリュカ様……本当に何をして居られたのですか?」
「うん。僕はナニをしてただけなんだけどぉ〜……子供達は、フレイの彼氏をヤジりに来てたみたいだね」
そう何時もの口調で告げると、ファルマー君を我らの輪の中央に押し上げ、フレイと交互に視線を交わす。
「まぁそうですかフレイ。貴女にも彼氏が出来たのですね?」
マーサ様が嬉しそうにフレイを見詰めると、フレイもフェルマー君も慌ててお辞儀をした。
ふむ、どうやら良い子のようだ。
「でもねフェルマー……私の孫娘の彼氏になるのは大変よ。なんせ父親が……」
皆の視線が一人に集まる。
当人は右手をサムズアップさせ顔の左横に掲げると、爽やかな笑顔で応えてみせる。
「リュカ……アナタの事を言われてるって解ってる?」
「解ってる解ってる。そんな事よりさぁ……これから皆で温泉にでも行かない? 僕は親孝行もしたいし、新たなる息子を可愛がりたいしぃ」
「全然解ってねーじゃねぇーか! ウルフ君が呼んでたって、さっき伝えただろ!」
「あぁ……良いよそんな事。
MH
(
マジックフォン
)
で『温泉行ってきます』って伝えれば、アイツも現地で合流するよ。彼女2人連れて……あ、3人目を連れてきたりして。あはははは」
え!? あの小僧、新たに女を作ったのか!?
そんな情報は聞かないが……
それともリュカ様の冗談か?
何時もこんな感じだしなぁ……
「責務を放っておいて温泉になんて行ける訳ないでしょう!」
「大丈夫だよ。ウルフは優秀だから」
マーサ様の小言を無視して、リュカ様は懐から
MH
(
マジックフォン
)
……の前に大根(!?)を取り出し、後に
MH
(
マジックフォン
)
を取り出して通信を開始する。
『あ、リュカさんだ。如何しましたか?』
「あ、うん。親孝行の為にこれから温泉旅行に行ってくる」
程なく
MH
(
マジックフォン
)
に出てきたウルフに向かい、何気ない口調でこれからの予定を告げるリュカ様。
『はぁ!? お前、何言ってんの? ……ちょっと、お前の馬鹿息子出せ!』
ウルフの無礼な物言いに、リュカ様は肩を少し竦めただけでティミー様に
MH
(
マジックフォン
)
を託す。
『おい馬鹿息子。お前
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