14部分:第十四章
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ないんですから」
「隠し階段はそのままにしておいた筈だが」
医者はそれを聞いて苦笑した。
「いえ、暗くて。中々見つからなかったのですよ」
「そうか、それにしても遅いぞ」
「すいません、けれどその分は働きますよ」
警官達はムングワと女に向かおうとした。
「君達は女を頼む」
医者は言った。
「ムングワは我々がやる」
彼は強い声で言った。
「それでいいですね」
それから僕達の方を振り向いた。
「はい」
ここで下手な犠牲を出すよりは。この四人で倒したかった。
僕達はムングワに向き直った。そして睨みつけた。
「いきますよ」
医者が奴を睨んだまま僕達に言った。僕達はそれに対し頷いた。
まず医者が発砲した。ムングワはそれを上に跳びかわした。
そのまま僕達に襲い掛かる。だがそこを館員の足が襲った。
格闘技でいう踵落としだ。まず上に跳躍し振り下ろした。
それがムングワの脳天を直撃した。芸術的な程綺麗に決まった。
そこにガイドが銃を放った。直撃こそしなかったが奴の右眼を掠めた。
「ガッ」
ムングワが呻き声を出した。どうやら瞼のところで防いだらしい。しかし血が眼に入った。
それで見えなくなった。片目を失いさしもの奴も動きが鈍くなってきた。
それだけではない。見たところ女が警官達と死闘をはじめてからその動きが少しずつ遅くなってきている。どうやらあの女の笛によりコントロールされていたらしい。
「やはりな」
あの笛は犬笛と同じだったのだ。ムングワを意のままに操る笛だったのだ。
横目で女を見る。警官達を相手に棒を取り出し戦っている。見たところ彼女もかなりの戦闘力だ。
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