12部分:第十二章
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すね」
「そう思います。ただ何故彼女が店に出ていたか不思議なのですが」
「どうしてですか?」
「いえ、いつもは老人が店番をしているのですけれどね」
「ほう、老人が」
僕はその老人について詳しく話した。
「そうですか、おそらくその老人も関係していますね」
医者はそれを聞いて言った。
「でしょうね」
館員もそれに同意した。
僕達はそれから今後の動きについて話し合った。結果今夜にも店に捜査に入ることとなった。
そして店に向かった。僕達は夜の闇に隠れるようにして向かった。
「行きますか」
「はい」
僕が先導を勤めた。そして店の裏口に回った。
見たところ怪しいところはない。ごく普通の店の裏である。
「表にも人がいるのですか」
僕は医者に対して尋ねた。
「はい、制服の警官達が向かっています」
「抜かりないですね」
僕は正直に感嘆した。
「当然です。相手は化け物ですよ」
医者は顔を引き締めて言った。
「化け物ですか」
「そう言わずして何と言いますか?」
「・・・・・・いえ」
これには僕も反論できなかった。確かに奴は化け物だった。
僕達は左右に散り扉の前に来た。そしてその扉をゆっくりとこじ開けた。
「いきますよ」
医者がこじ開けている。軍では特殊部隊にいたのであろうか。やけに手馴れている。
「行きましょう」
扉は簡単に開いた。どうもあまり大した扉ではなかったようだ。見ればかなり古い。
僕達は銃を構えながら中に入った。そして部屋の中を懐中電灯で照らした。
「気をつけて下さいよ。何時何処から襲い掛かって来るかわかりませんよ」
「・・・・・・はい」
医者の言葉は実感があった。僕達は少しずつ手探りのような状況で進んでいった。
入口には何もなかった。見ればそこにも警官達が来ている。
「これで完全に包囲しましたよ」
医者はそれを見て満面に笑みを浮かべた。
「逃げられるものではありません」
かなりの自信があるらしい。闇夜の中に浮かぶ警官達の顔を見た。見れば精悍な顔立ちの者ばかりである。精鋭なのであろう。
次の部屋に入った。その後を数人の警官が続く。
そこは調理場であった。見たところ誰もいない。
「油断は禁物です」
そこで館員が言った。
「ここは危険なものが一杯ありますから」
「確かに」
ガイドがそれを聞いて声をあげた。確かにここには包丁や鍋といった凶器となり得るものばかりある。
僕達はやはり少しずつ慎重に進んだ。ムングワが潜んでいるかと思うとやはり怖かった。
だが結局ここにもいなかった。すぐ側で音がする。どうも店の品物が置かれているところにも警官達が入って来ているようだ。
「開けますよ」
耳を澄ませてそれを聞いていた僕に対し医者が声をか
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