10部分:第十章
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
てムングワが今まで出た場所を回った。
「こうして見ると出没する場所がかなり不規則ですね」
僕は地図を見て言った。
「普通は縄張りの範囲内で動くものなのに」
「この街全体が縄張りだとしたらどうでしょう」
館員がそれを聞いて言った。
「そうすればムングワがこの街に不規則に出るのかわかりますよ」
「ですね」
だとするとムングワの縄張りはかなり広いのだろうか。少なくともこの街全体を覆う程に。
今のところ線は引けない。縄張りの中心すらわからないのだ。
「出て来る場所の地形も決まっていませんね」
藪の中に出ると思えば市街地にも出る。役所のすぐ側に出たこともある。
「今やこの街はムングワの家のようなものなのでしょう」
医者が言った。
「そして我々は奴の玩具なのです」
「殺される為の」
「・・・・・・はい」
彼は僕の言葉に頷いた。
「忌々しいことですが今の状況はそうとしか言えません」
「ですね」
「そうした状況を打ち消す為にも我々は奴と奴を操る者を捕まえなければならないのです」
僕達は彼のその言葉に頷いた。そして夜の街を進んでいった。
もう夜の街を歩く者は誰もいない。警官達の捜査チームが歩き回っているだけである。
「そちらはどうか」
医者はレシーバーで他のチームに声をかけた。
『異常なしです』
レシーバーの向こうから声が聞こえてきた。
「そうか」
医者はそうして他のチームに連絡をかけたが返事はどれも同じであった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ