11話 オデッサの陰謀 11.17
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だから」
「そうか。内通ではないのだが、グランドキャニオンで遭難したことがあっただろ」
「遭難・・・あの時ね」
「その時に赤い彗星のシャアと話す機会があったんだ」
「!!」
セイラは読んでいた新聞に力がこもった。
「・・・それで?」
「彼はいろいろ悩んでいたよ。でも彼はきっといい道を択んで進んでいけると思う。オレが保証する」
そう、シャアはザビ家の復讐を当時志していた。しかし、あのアメリカの激戦でチャンスがあったにも関わらずガルマが生きている。心境の変化があったと捉えて今のところは良いだろうとアムロは思った。
「そう・・・」
セイラは短く一言で答え、沈痛そうな面持ちで答えた。
「それじゃあアムロ。私も聞いてもらえるかしら。勿論内密に」
「何をだい」
「私もシャアに会った。サイド7襲撃時に」
「・・・そうか。私も君も殺されなかったんだね」
アムロはちょっとカマを掛けてみた。アムロは知っている。セイラの兄のことを。だが、それをアムロは口には出せない。
「私の場合は特別・・・だって兄さんだから」
セイラは白状した。アムロは取りあえずホッとした。知っておきながらも話せないことをそのままにしておいて会話をするにはちょっとやり辛さがあった分楽になった。
「・・・そうか。わかった。君のケースは特別にしてもオレを殺さなかったのはシャア個人的に良い傾向なことだと思う」
「そうね。兄は復讐に燃えていたから・・・私たちザビ家に目茶目茶にされたから」
セイラはコーヒーをすすり、話を続けた。
「でもね。私は恨みはすれど、晴らそうなんて思わない。だって、復讐は何も生まないもの・・・」
「セイラさんはそんな兄さんを見て良く思わなかった」
「そうね。でも貴方の言う通りに兄が変わったのならば、私にとっては嬉しい話だわ」
セイラは少し笑みをこぼした。そこで話が終わると丁度ミライがカフェにやってきた。
「あら、アムロ少尉。セイラと一緒なの?」
「ミライ曹長。奇遇ですね」
ミライ・ヤシマはフォン・ブラウンよりキャルフォルニア攻略戦、奇襲部隊撃退とアメリカの激戦を艦艇の操舵手として転戦し功績が認められ、曹長まで昇進を果たしていた。
「奇遇ではないのよアムロ。ミライとは女性が余り少ないし、同年代もいないしね。自然と仲よくなったのよ」
「そうね。同年代の女性がいないよね」
セイラとミライは笑って話していた。アムロはここはお呼びでないなと思い退席した。
「じゃあ、ミライさん、セイラさん。オレはグレイフ
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