お見合いなんてしたくない
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お見合い。
結婚を想定した前段階の顔合わせのようなものである。
結婚は人生の墓場だと言われているが、言い得て妙であることは否めない。
結婚したらそのまま死ぬのかと、最初は思ったものだが、恋人の関係であった状態から書類一枚で決まってしまう結婚。
夫婦となってしまった暁には、当初の繋がりは数年経つにつれて廃れていき、お互いに干渉しない空間がその家となる。
言ってしまえば、その家庭が墓場となるのだ。
浮気は文化と言う輩が居るが、そんなことを言っている内でも、やがて誰かに刺されると言った墓場直行の行動だと言えよう。
ただ、もしも結婚をするのなら。
健全なお付き合いをとか、心身潔白な、等の間柄ではなく、お互いに好き合い、お互いを思い会う関係が好ましいのではないだろうか。
相性等は二の次、強いて言うなら思う気持ちだと定義したい。
それは甘く、苦く、時に酸味がある関係なのだと、私は思う。
刺激な事でも構わない、お互いにお互いを必要とし、笑い会える関係を私は求めたい。
彼女居ないけどねっ………!
「ありがとね鳴滝君。お姉さん助かっちゃった」
取り合えず行く宛はないため、道行く道を適当に歩く。
雪ノ下陽乃は後ろに続く俺を振り替えってそう言った。
「別に、そうしてほしいとアイコンタクトを送ったのはアンタだろ」
先程の解釈は『連れ出してほしい』だったようで、結果的に間違いではなかったようだ。
「こんなこと、君以外には出来ないよ?ふふっ。
でも以外だったなぁ。最初私を見た瞬間に突っかかってくるかと思ったのに」
「社交性は俺の領分の一つなので、あの程度で動揺することはない」
「ふーん」
余り興味が無さそうだな。
とは言えここはどこだろうか?
車のなかでは外なんて全く見ていなかったわけだから、どこに向かっているのかも知らなかった。
「……………はて、何か見覚えのある建物が…」
「んー?ああ、鹿苑寺だねぇ」
鹿苑寺…?確か京都にある観光名所の一つだったな。
雪ノ下が熱く語っていたのを覚えている。
「なぜ、俺は京都にいる…?」
「何でって、会談に来たんじゃなかったの?」
「バカ言うな。俺は今日の朝いきなり聞かされたことなんだぞ。
大体会談自体建前だったじゃねぇか。お見合いとか冗談じゃねぇ」
「あっははは…まぁ、今日来たのが君で少しホッとしたけどね」
「あ?それってどういう…」
雪ノ下姉の言葉を追求しようとしたところで、携帯が震えた。
取り出してみたら叔父さんだった。
「はい、九十九です」
『九十九
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