番外編ー01ー
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あるが明らかに聞こえてきた声には意思が宿っていた。
「誰ッ!?何処に居るの!?」
―――そう慌てるな。私は貴方の前にいる。
前、そこにいると言う声に導かれて正面を向くと直感的にそこに何かがいる事が取って解った。何がいるのかは解らないが何かがそこにいる。そしてそれは次第にはっきりしていき、偶像でしかなかったものが幻影として彼女の前に姿を現した。
―――初めまして、で良いだろうな。魔女ドロシー、もう一人のあの人を愛する人。
「だ、誰なの………??」
目の前に現れた半透明の姿の喪服を着ている女、正に絶世の美女と言う言葉が彼女為だけに作られたかのような美しさを持っている。
「一体誰!?」
―――誰、誰かと聞かれればそうですわね……クリームとでも御呼びください。
「クリーム……?」
―――あなたの恋人であるジークフリードの元となった人物、竜殺しの騎士の妻です。
それを聞いたドロシーは驚愕した、ウォーゲームが始まったばかりの頃食事をしていた際にジークのことに着いて話題になった事があった。その時にメルヘヴンに伝わっている竜殺しの騎士の伝説が上がったことがあった。まさかそのその人物が実在していたなんて……。
―――悪しき魔女によって騎士は変えられてしまった、ですが可能性はあります。
「可能性ですって!!?」
―――ええ。但しそれは正に賭けになります。
クリームの口から語られたのはジークの心を取り戻すっというよりもジーク本人に選ばせると言う事だった。ディアナによって記憶は完全に操作はされているが、元の記憶は深層心理の奥に封じ込まれているとの事。それを目覚めさせる事が出来るかどうか、それはドロシーがジークに掛けている愛がディアナを凌駕するかに掛かっているとの事。
「つまり私はジーくんの愛を吐き出し続けて記憶を呼び起こせばいいんでしょう?」
―――ハイ。しかし失敗すれば記憶は更に奥に封じ込まれてしまいもう二度と呼び起こす事が出来なります。
「………望む所よ!!私の愛がディアナなんかに負けるわけ無いじゃない!!!」
―――その意気です、では私はこれで。
「あっ待って!!」
半透明だった姿が更に薄くなっていくクリームを必死に止めるドロシー。
「如何して私にこんな事を教えてくれたの!?」
―――簡単です。貴方に私と同じ道を進んで欲しくないからです。
最後に愛しの彼への愛を目指している乙女に応援を送りクリームは消えていった。ドロシーは不思議がりながらも顔を引き締めながらもジークの服を纏ってベットへと飛び込んだ。
「お休みジーくん………」
疲れていたのかそのままドロシーはすやすやと寝息を立てて眠ってしまう。彼の服を着ているからか彼に抱きしめているかのような感触を味わいながら夢の世界へ
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