Fate/stay night
1157話
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その言葉に、ランサーは少し考え……やがて何かに気が付き、口を開く。
「そうだな、じゃあ俺に勝ったらそっちの嬢ちゃんの件はマスターに言わねえよ。今までは聞かれなきゃ言わないって話だったが、今度は令呪を使われない限りは言わない。それでどうだ?」
「……へぇ」
ランサーの口から出た言葉は、確かに魅力的ではあった。
これが、もしランサーがあのワカメのような性格をしているのであれば、そんな話を聞く価値もなかっただろう。
だがランサーはサーヴァントであり、一角の人物でもある。
こうして話していてもそれは理解出来るし、性格的にも決して自分の言葉を曲げたりといった事はしないだろう。
多分、本気で令呪を使われない限りはそれを守る筈だ。
それに、サーヴァントはマスターとパスが繋がっていて念話とかが出来るんだが、この様子を見る限りではそれを使っている様子もない。
いや、そっちに関しては確証はないが、ランサーの性格を考えればそうなる。
「で、どうする? そもそも、お前等は俺を見つける事が出来なかったんだろ? 今がいい機会なんじゃないか?」
「……確かにな」
ランサーの言葉は真実だ。
未だに俺達はランサーの真名を知っている訳でもないし、なによりそのマスターが誰なのか、そしてどこが本拠地なのかも分からない。
こうして考えると、ランサーのマスターって余程に用心深い魔術師なんだろう。
ここまで聖杯戦争が進んだのに、未だにその正体を現さないのだから。
『どうする? 正直、私としては魅力的な提案……というか、渡りに船なんだけど。でも、今日はバーサーカーとの戦いがあったばかりでしょ? アークエネミーの方は……』
どこか心配そうに念話で尋ねてくる凜に、俺は小さく頷いてから念話を返す。
『俺の方は問題ない。魔力生成のスキルがあるおかげで、魔力不足に悩むって事もないしな。ただ、ランサーが何を考えてこんな事を提案してきたのか……』
『あたしが見る限りだと、本当に興が乗ったからって見えるけど』
綾子の言葉は、確かに普通にありそうなんだよな。
こうして見る限りだと、ふざけて言ってる訳じゃないのは明らかで、本当に興が乗ったから戦わないかって言ってるように思える。
『そう、ね。確かにランサーをここで倒せたりすれば、色々な意味で助かるけど。それに、アークエネミーが勝ったら綾子の事を言わないとか言っているのを考えると、最後の決着まで付ける気はないって事なんでしょう。それなら、最後まで戦わなくてもいいから……少しでもランサーの手の内は見たいし』
凜もどうやら賛成のようだ。
なら、構わない……と、ランサーに返事をしようとして、ふと気が付く。
この戦いは、もう残り少なくなったサーヴァント同士の戦い
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