Fate/stay night
1157話
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ーが酒を飲んでも全然構わなかったんだが……この辺は、意外と律儀だよな。
「……遠坂、あたしがここで言うのもなんだけど、ランサー? の前でバーサーカーをあたし達が倒したって言ってもいいのか? その辺の情報ってのも大事なんじゃないか?」
水餃子をポン酢で食べながら呟く綾子に、凜が目を見開く。
「ああ、安心しろ。ランサーは俺達がバーサーカーと戦うところを見ていたから。少なくても、俺達がアインツベルンの森から出て来た時にはこっちの様子を窺ってたし」
「え?」
「まぁな。そもそも。お前が昼間に会った時に、午後からは用事があるって言ってたんじゃねえか。そうである以上、気にするのは当然だろ? ……まぁ、あのバーサーカーとセイバーとライダーの3人を相手に互角以上に戦うとは思ってなかったけど」
やっぱりな。予想通りあの戦闘も見ていたか。
となると、混沌精霊についての能力もある程度ランサーに知れ渡っているのは間違いないか。
「ちょっ、何で……アークエネミー、あんたランサーがあの戦闘を見に来ているって知ってたの!?」
「確実にって訳じゃないけど、来るとは思ってたな。実際、確信したのはアインツベルンの森から出て来て姿を微かにだけど見た時だし」
「うげっ、見られてたのか」
まずった、と言いたげなランサーの表情にしてやったりという笑みが浮かぶのを理解しながら、エビチリを食べる。
うん、プリプリとしたエビの食感が最高だ。
「ランサーとしては色々と見破られやすい行動だったな」
「……隠れている俺を見つけるのは、そう簡単には出来ねえよ。お前さんの能力が異常なんだって少しは気が付きやがれ」
洒落になんねぇ、とか言いながら頭を掻きむしるランサーだったが、それでもすぐに意識を切り替えるのは歴戦のサーヴァントだからこそってところか。
それからの食事も、ランサーという敵サーヴァントと一緒に食べているというのが考えられない程和やかに進む。
お互いがお互いを信頼している……というのとはちょっと違うが、それでも食事を終え……ふと、ランサーが口を開く。
「なぁ、アークエネミー。折角楽しく飯を食い終わったんだ。ちょっと俺と戦ってみねえか?」
「……は? 何だ、いきなり?」
ランサーの口から出て来た言葉に、意表を突かれたようにそう返す。
そもそも、楽しく飯を食い終わったからちょっと戦うってどんなだよ。
それは凜も同じだったのか、呆れたように口を開く。
「あのねぇ、ランサー。あんたの話は意味が分からないわ。大体、何だってそんな真似をする必要があるのよ」
「そういう気分になったってだけだよ。どうだ、アークエネミー。俺としてはお前と戦ってみたいんだけどな」
「……俺はお前と戦う理由がないんだが?」
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