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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
三国同盟、その後の事
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騎士の『ジャンボット』さんたちもご心配しております」
不良くさい口調を崩さない少年に、テラは洗濯のために今度は少年の黒い学生服を脱がせる。
「ご子息…ね。俺はなまっちょろい温室育ちのお坊ちゃんになんかなりたくねえぜ。いい加減家庭教師(センコー)の押し付けがましい教育はダルイし」
「もう…困った人ね。余計に放っておけなくなるんだから…」
困り顔ながらも、世話を焼くことが好きなのか、それともあの少年が気に入っているのか、テラはクスリと笑った。
風呂から上がり、少年が自室に戻る途中、彼は老執事と鉢合わせした。
「おぼっちゃま、あのような下々の者と話すのはおやめください。あなた様と比べて身分が低いのですよ。しかも、おぼっちゃま相手に馴れ馴れしい…」
下々の者…おそらくテラのことを言ってるのだろう。この老執事は昔ながらの常識を重んじている人なのだろう。イラっとした少年は老執事を睨みつけた。
「てめえこそ寝言言ってんじゃねえ。もう貴族も平民も平等に扱い、権力差もないものとしろと叔母上たち各国の王が法で定めただろうが。話したって特に問題でもないだろ」
少年には老執事の発言が差別的なものに聞こえたようで不愉快に感じたようだ。
「そ、そうですが…」
それを聞いて老執事は言葉を詰まらせる。
「だったらそれ以上言うんじゃねえ。俺を誰だと思ってやがる」
「も、申し訳ありません…」
「けっ。いい加減気をつけろよ。このご次世、そういう古くせえの嫌うやつだっているんだからよ。俺だって大嫌いだからな」
イラついた様子で少年は自室の扉を開き、乱暴に扉を閉めた。すると、少年がいなくなったのと同時に、老執事は聞こえないようにちっ、と舌打ちした。
「まったく…『ルイズ』お嬢様はなぜロクでもない子を…。
公爵様の苛立ちの理由もわかりますわい…」
真夜中…少年は幼い頃から、寝るたびに夢を見ないことを願っていた。だがそれでも見てしまうのだ。自分の意志とは関係なく、嫌な光景しか浮かばない夢を。
俗に言う、悪夢。
光の巨人の石像。
爆音を立てて燃え盛る石の建物。
街を破壊しようと暴れる何十体もの凶悪な怪獣に、平和のために果敢に立ち向かう…巨人たち。
「ジェア!」「フォア!」
しかし、巨人たちは二つに分かれて対峙し、果てしなき殺し合いを始める。
撃破し続け、荒廃する街・自然…星。
最後に…。
「ギィイエア!」「ウギャアアア!!」
狡猾で卑怯な人間のような掛け声と共に、一人の光の巨人が黒い巨人に胸を刺されて死ぬ姿。やがて、醜悪なる四つの影によって、光の戦士たちが無残に殺される姿。
「う…」
窓から差し込む陽の光を浴びて少年はベッドから起き上がった。
「…またあの夢か。二次の読みすぎか?」
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