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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
三国同盟、その後の事
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きのめしてしまったようだ。
「ったく…血が服についてやがる。今日もやらかしちまったか…」
少年は服に就いていた血を見て目を細めた。どうもこの少年、見た目からして明らかに不良らしい。
彼はビルの屋上から街を見下ろす。地上まで20mはある。下では。まだ昔の町並みを残しているがゆえに、未だ狭いままの道路と、その上に設置されていて、道幅の狭さをカバーするためのハイウェイが見える。人間・エルフ・翼人…多くの人たちや乗り物がその道の上を移動している。道路だけじゃない。最近は新たに防衛軍の飛行兵器が空の上を飛ぶことが珍しくなくなり、以前からこの星で重宝されていた竜も、相変わらず移動手段として利用されている。
こうして下を見るだけで恐怖を覚えさせられる。普通落ちてしまえば助からないのだから。が、少年の顔に恐怖はない。そして、何をするかと思えば、なんと彼は思い切り屋上の床を蹴った!飛び降り自殺でも図るのか?が、そうならなかった。
ビシュン!
なんとその少年は、魔法も使わず人間とは思えないほどの跳躍力でビルとビルの間を飛び上がっていた。
そして、見事に着地場所である隣のビルに、ズササ!と音を立てながら彼は着地に成功した。見事な跳躍と、ビルからビルへ飛び移るという神業。誰でも彼できるような芸当ではない。だからいざこなしてみると気持ちがいいものだが、少年は素直に喜ばなかった。
「帰るか…」
飛び降りても死なないとは思うが、急に空から翼も待たない人が魔法も使わず落ちてきたら騒ぎになる。少年はきっちり階段から降りて帰宅することにした。
彼の家はトリスタニアから遠く離れた場所にある。それも国の中で大層立派な屋敷だ。白く広範囲に及ぶ塀の中に、大豪邸が広がっている。
メイドに執事・庭師などの召使も大勢いて、彼の家柄がとても優れたものであることが伺える。大きな玄関の扉を開くと、彼よりも1・2歳ほど年上に見受けられるメイドの女性が出迎えてくれた。だが他には誰も迎えに来なかった。
「お帰りなさいませ、おぼっちゃま」
「ああ…ただいま。テラ」
「また喧嘩なさって来たのでしょう?全く…あまり暴れるとまた街の警邏の方々に補導されますよ?お仕事でお忙しいお母様にお爺様方が心配なさっているというのに…」
テラと呼ばれたそのメイドの女性は呆れかえりながら、ナプキンで少年の顔についていた血を拭き取る。
「悪い…でも向こうから喧嘩をふっかけてくんだよ。それにお袋はともかく、じじいが俺を心配?んなわけねえだろ。じじいが俺を疎んでいるのを知ってるんだぜ」
口を尖らせて少年はテラに言い返した。どうもこの少年、祖父とは仲が悪いようだ。
「またじじいだのお袋だの…おぼっちゃま、あなたはこの国の名門貴族のご子息なんですから、もうちょっとそれらしい振る舞いをなさって。ご親戚の女王様や守護
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