暁 〜小説投稿サイト〜
ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
三国同盟、その後の事
[7/11]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
従ってはいるのだが…。
「…ならば、まず私が護衛役を買って出ましょう」
「愛紗、いいのか?」
目を丸くする一刀に、すぐ鋭い目つきで愛紗が警告を加えた。
「で、ですが!危険だとわかったらすぐに任を降りられること。よろしいですね?」
「悪い!ありがとう!」
満面の笑みで手を握ってお礼を言ってきた一刀に対し、愛紗は手に感じる主の温もりに顔が赤く染まっていく。
「ご主人様…あまり手を握られては恥ずかしいです…」
「うぅ…」
朱里も主である一刀を想い続けている身。手を握られている愛紗を羨ましげに見て唸った。
「うふふ、若いっていいわね」
紫苑もにこやかに母性溢れる笑顔で二人を見つめていた。
「あの…愛紗さん、いらっしゃいますか?」
ここでもうひとり、ちょうど朱里と同じ背丈の青いツインテールに、魔女っ子のような帽子を被っている少女が入ってきた。
彼女の名は?統。真名は雛里。朱里と同じ、水鏡こと司馬徽という賢人のもとで学問を教わった所謂学友で、他国からは朱里に並ぶ大軍師として『鳳雛』の異名を持つ。朱里と比べると彼女以上に大人しい性格で、彼女もまた緊張して噛んでしまうこともあり、「あわわ軍師」とも呼ばれてしまっている。
「雛里ちゃん!」
朱里が友人の登場に笑顔をほころばせる。
「雛里か、何か用か?」
呼ばれたい愛紗が、一体何を頼んできたのか雛里に問い返す。
「はい、少しお願いしたいことがあるんで」
「お願い?」
「襄陽方面にある、樊城付近にて行方不明者が続出しているので、蜀からも調査の協力を頼むよう、魏の曹操さんからの要請がありました」
「樊城付近で行方不明者?何があったんだ?」
愛紗から手を離した一刀が雛里に詳細の説明を求める。
「曹操さんは、曹仁という方に樊城の統治を任せているということなのですが、その曹仁さんが、部下の?徳さんに辺りの警邏を任せて以来、?徳さんの行方がわからなくなったというんです」
「?徳!?」
さっきまで鈴々と飯を食い散らかしていた翠が驚いて声を上げた。
「翠、どうしたのだ?」
隣にいた鈴々が目を丸くし、急に動揺した翠を見て紫苑が尋ねてみる。
「?徳さんを知ってるの?」
「同じ西涼の将で、時々世話になってた勇将なんだ。そっか…曹操に西涼が乗っ取られた時にはぐれたんだけど…」
元々翠は、正史と同様現在は魏の領土である西涼の出身で、?徳と呼ばれているその将とも知り合いだった。現在三国同盟が結ばれる以前、曹操が天下統一のために攻め入った時にはぐれてしまったという。世話になった恩もあるから、魏で?徳の行方がしれずのものとなったことが気になったようだ。
「樊城辺りに、何か不穏な動きでもあるということか…」
「それで、魏の曹操さんからも信頼されている愛紗さんにこの任を任せたいとのことです」
「…
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ