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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
三国同盟、その後の事
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を見る目が若干細くなっている。劉備と一刀に対して忠誠を誓っていると同時に、一刀に対して愛情を抱いているのだ。それは愛紗に限った話ではなく、蜀の将たちの多くが一刀のどこかスケベで気が多いものの、贔屓しない平等な信頼と愛に心を開いている。
(私も料理ができたら…)
愛紗は料理が下手だ。魏の曹操に敗れた後蜀に保護された袁紹と共に一刀に料理を振舞ったとき、その絶望的な腕のあまり一刀はしばらく体調を崩したほど。女としては悔しい。
「愛紗も一緒に食べる?」
「よろしいのですか?」
「せっかくだから、一緒に食べたほうが食事も楽しいだろ」
月の手料理、というのがちょっと気に障るが、せっかく敬愛するご主人様からのお誘い。愛紗に断る理由などない。
「はい、ご一緒します」
嬉しそうに頬を染めながら愛紗は一刀について行く。せっかくだから月の料理の知識もこの目で見ながら盗んでおくのもいい。
「桃香の体、異常はないよね?」
「医者の話だと、まだ安静にさせるようにと」
桃香、それはこの世界での劉備の真名である。彼女は体調を崩していて仕事を休み、医者の診察を定期的に受けるようになっていて、自室に篭る時間が長くなっている。すぐに愛紗の目が真剣なものとなる。
「ですからご主人様。桃香様がお休みの間はサボらずにしっかり政務に励んでくださいよ」
「う…思い出させるなよ」
政務のハードさを思い出し、一刀はげんなりする。幾度かサボったこともあってその度に愛紗をはじめとした家臣たちに怒られたことか。
「そういえばご主人様、管輅という名の占い師に覚えはありますか?」
ふと、愛紗が話の話題を変えた。
「あ、ああ。確か、俺が天の御使いとしてこの世界に来ることを予知していた占い師のことだろ?」
管輅、本来はエセ占い師として知られていたのだが、天の御使いとして一刀がこの世界にやってきた上に、一刀が管輅の占い通りに大陸に太平をもたらすきっかけとなったことで、一部の人間たちから優れた占い師としての評価を頂いていた。
「それが、管輅は今回また奇怪な占いの結果を公表して、住民たちに…」
「…?なんて言ったんだ?今回は」
一体何だろう。自分がこの世界に来ることを予知した程の占い師の話だ。一刀が気にならないはずもない。
「『超古代の闇、大徳の怒りし時よみがえる。闇は世界を飲み込み混沌に陥れ、世界を崩壊へと導く。しかし、闇の中にただ一つのみ光あらん。その者は桜色の髪の男児なり』。と…」
よくそんな長い占いを間違えずに覚え切ったものだ、とは思ったが、確かに愛紗の言うとおりどこか奇妙な占いだ。今度は一体何のことを暗示しているのだろうか。
「お、着いた」
気がつくと既に食堂の入口前にいた。入口を開いて一緒に入ると、真っ先に目が入ったものがあった。
「んぐ…おかわりなのだ!」
「な
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