10話 仮面の下の微笑 11.19
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便に案内をお願いするよう言っていただけると助かります」
「試作機でだと。識別無きだと撃墜されるぞ」
キシリアはマーサに詰め寄ったがマーサは不敵に笑った。
「ご冗談を。かの者は撃墜などされることはまずありません。実はその試作機こそがコア・プロセッサー内臓機体です。その機体をフラナガン機関へ、キシリア様に納品致します」
「なんだと。このグラナダの防衛線を単機で突破など・・・」
キシリアはマーサの虚言、冗談だと思い込んでいた。その時警報が基地に鳴り響いた。
* 同基地内 指令室 同日 11:30
キシリアはレーダー管制・各部署への指揮系統伝達のできる指令室へ急ぎ足を運んだ。マーサもゆっくりだがキシリアの後に付いて行った。
「レーダー!状況を報告」
キシリアの厳しい言葉が飛ぶ。オペレーターが即座に報告を入れた。
「はっ。未確認識別不能な機体がこちらに急速で接近してきます。1機です。飛行禁止区域だと知らないのでしょうか。一応警告致します」
キシリアはそのマニュアルに則った判断を是とし、オペレーターはその謎の機体に向けて警告を発した。
「こちらに接近中の操縦者!既に飛行禁止区域内だ即座に戻らない場合は撃墜する。繰り返す・・・」
キシリアは大型モニターでのレーダーを見ていた。
その飛行物体の速度はあの赤い彗星を凌駕する勢いであった。
キシリアはマーサを見た。マーサは微笑んでいる。
軽い挑発だった。モノの試しに撃ち落としてごらんなさいと言いたいような表情だった。
その挑発に乗ったキシリアはザクとリック・ドムを10機ずつ緊急発進を命じ、その目的のモビルスーツを撃破せよという命令を下した。念のためにキシリアはマーサへ質問した。
「仮に、この試験機撃墜したとしても代わりのコア・プロセッサーはいつ届けられる?」
「ええ、明日にでも。だから支障はさほどないでしょう。でも、研究は早いに越したことはないでしょう。きっと大丈夫ですから」
キシリアはマーサを睨み、そして再びモニターを見入った。
識別不明な試作機は漆黒に近い赤のカラーリングだった。一見ザクに見えなくないが、改修されて一番近いモビルスーツの型としては高機動型ザクUだった。
しかし、そのバックパックには大型なスラスターエンジンが羽のように搭載されていた。バックパックの仕様からビームライフル装備可能だが、その両手にはライフルは装備されていなかった。
その操縦者は赤い軍服と白いズボンを身に纏い、頭を覆うような丸い白いマスクを付けていた。その覆われていないところから見える髪の色は金色であった。
「・・・17、18、19、20機か・・・出迎え
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