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逆襲のアムロ
10話 仮面の下の微笑 11.19
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「助かります。時にカーバイン夫人。貴方にはいろいろ良くしていただいていますが、一体何をお望みで?」


マーサは少し笑い、自分も紅茶に口をつけた。


「いえ、望みなど・・・この技術の実用化でたくさんですわ。財団規模になりますと経済全体、世界全体を考えなければなりません。人類の成長のため、ひいては世界の成長のために尽くしているのです。この技術は世界により良い革新をもたらすと考えております。それで十分なのです」


キシリアはこの技術が戦争の道具でしか考えなかった。人類の革新など自分の守備範囲ではない。財界の人は視野が違う。自分のような政治家若しくは戦争屋は、兄たちに勝る力を欲するための手段をひとつでも多く持ちたいことが望みだった。

キシリアは兄ギレン、ドズルとは違い陰謀により今の地位まで伸し上がってきた。しかし、2人の兄がそれぞれの面で卓越しており遅れをとっていた。その焦りもあり、様々な手法で敵味方問わず恐れられた。

懐刀と言われたマ・クベにはオデッサの連邦部隊壊滅のため核を撃つという指令を与えた。これはマ・クベ自身が調印に参加した南極条約違反であった。

しかし、キシリアは連邦への内通者のエルランを通じ、壊滅原因の事実の隠ぺいを図るという裏工作が行われるという保険が付いたお墨付きの作戦だった。

キシリアは時計を見た。もう間もなくその作戦が開始される。その姿を見たマーサは気が付き声を掛けた。


「何かご予定でもお有りですか?」


キシリアはハッと我に返り、「いえ別に・・・」の一言でその場を流した。


「カーバイン夫人。貴方ら財界人の考え至るところに私は到底理解が追いつきませんが、この技術が今後の市民の生活の糧になるならば喜ばしいことです」


キシリアは決して思ってもいない発言を明瞭に肯定しながら言った。
マーサもその回答に笑みを浮かべ答えた。


「そう仰っていただいてなによりです。財団はこれからも全力でサポートしていきたいと思っております」


「アナハイムからの応援も同じように頂けたら嬉しいのですが」


「勿論、研究達成まで邪魔はされてくはないのでアナハイムからの支援も財団経由で夫に話が行くでしょう。その前に私からも話しておきますけど」


「そうですか。夫人の言葉なら絶大な信頼がありますね」


「恐縮です」


マーサは再び紅茶を飲んだ。そしてキシリアに言った。


「実はこの財団の支援はとある人物抜きでは到底出来なかったことなのです。その方をキシリア様に紹介したく、この後参ります」


「ほう、どんな方か興味があります」


「つきましては、その方は試験モビルスーツにてこの基地に参りますが捕捉次第軍の方々へ穏
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