10話 仮面の下の微笑 11.19
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く、連邦の不信を扇動することに努めた。
そうすることで各サイドの独立心が芽生える。各サイドにしろジオン公国の人口を遥かに上回る人口の完全なる支持を得ることは不可能であった。
皆コロニーを破壊されるではないかという恐怖での支配でジオンに旗を振る、ジオンの敵に回らないことでギレンは充分であった。むしろそれがせいぜいであった。
宇宙での動きが連邦向きでなくジオン寄りにする。人の流れ、物流の停滞が連邦の宇宙に対する発言を弱める。ギレンの思惑達成の当面の目的であった。
可能なことを一番効果的で合理的な手段を選ぶギレンならではの手腕であった。
連邦はビンソン計画というものを4月に既に発動していた。ギレンも情報筋より周知していた。
連邦の宇宙艦隊の再建。ジャブローより多数の連邦艦艇が地球軌道上に展開しつつあった。
そしてその周辺に宇宙ステーションを建設。宇宙世紀元年にテロにより破壊されたラプラスも再建されていた。
その宇宙ステーション群が地球からの補給拠点となっていた。数が揃えば反攻に出るであろう。そして近い将来戦争の主舞台は宇宙へ移るだろう。そのための対策はいくらでも講じた。
ムサイ艦の増産。試験艦ザンジバル艦のロールアウトとその量産。新兵器の開発と現行の量産機の統合整備計画(マ・クベ中佐の提案)
各企業間、連邦寄り企業も問わずの交渉。サイド6のインダストリアル1への出資やグラナダ市の出資。大企業の支援による1つの木星船団のTPO株式買収。フロンティア衛星の開拓など。
何をするにも先立つものは資本であった。レバレッジにより活動資金を得ていたギレンはあらゆる分野へ戦争継続のために費やしていった。ギレンはよくもここまで支援があるものだと笑った。
「全ては戦争が利益になると考える企業が多い所以だな。世の中は馬鹿が多い。だが有り難く利用させてもらおう」
ギレンにとって好都合であった。今日もその支援金にて活動するための各所からの稟議決裁を行っていた。
「ほう、フラナガン機関からのか。・・・サイ・コミュニケーターとサイコフレームの開発か・・・」
フラナガン機関は6月に建てた機関で、人の直感を研究する機関であった。高確率で危機回避する操縦者の事象を分析してそれを一般化することを目的とした不明瞭な機関だった。しかし、有能な人材が育つならばということで許可を出し、キシリアに統括させた。
その報告書によれば、サイ・コミュニケーターにより兵器の遠隔操作が実現でき、サイコフレームによりその幅が飛躍的に向上するそうだ。そして演算処理装置による実現確率はほぼ100%と出ていた。
ギレンは考えた。この技術は宇宙戦には圧倒的優位に働くと。その稟議書を最後まで読み解くと共同研究出資者としてある財団法人が
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