10話 仮面の下の微笑 11.19
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サイド3 ズムシティ 総帥執務室 11.19 10:10
ギレンは日々入ってくる戦況報告の書面に目を通していた。
連邦のV作戦の効果が日に日に増していっていた。北アメリカはガルマの辣腕により経済の活性化と政内外問わずの政治活動、戦術戦略を駆使し、戦線が膠着していた。連邦の中にも内通者を作り戦線の拡大を防いでいたのも大きな要因だった。
「フッ、連邦の体たらくは昔から知っていたが、ガルマに手玉に取られるようではたかが知れているな」
ギレンはそう呟いた。ガルマはギレンが思う期待以上の働きを見せていた。北アメリカは良しとしてそれ以外の戦線が良くない。
アジア方面は一時中国東南アジアエリア全てを勢力圏としていたが、もはや北京付近とタイ周辺のみ。アフリカはキリマンジャロの基地が陥落し、中部で南アフリカでのギリギリの抵抗。ヨーロッパはレビルらの大部隊によりオデッサのみですでに陥落寸前であった。
キシリアがマ・クベをオデッサへ切り札として派遣していた。何か目論見があるようだった。
国力差は当初より知っていた。勝つためにはコロニー落としなど非道と呼ばれる行為もした。元々多い人口を間引くことも戦争の視野に入れていたことだが、一番の目的は世界すべてへの脅しだった。
自分の頭脳を持ってしてもできないことは多い。いろいろなプロパガンダを利用しては不足を補ってきた。それにも限界があることは国力差の話より会戦当初から知っていた。
父デギンには勝てるのかと聞かれた。勝てないとは言えない。
それでも戦端を切ったのも自分の野心でもあるがスペースノイドであるサイド3の群衆の願いが大きな要因がある。それから様々な計算をした上で勝てると踏んだから行動を起こした。
勝つということは、連邦を屈服させることではない。勿論できるに越したことはない。戦争の膠着により民は疲弊する。戦争にしても軍を動かす上では政府判断がいる。その政府の基盤は勿論民に帰着する。彼らは物凄く不安定で統一感などない民主政治だ。
今はまだ1年も経っていない。しかし長期化して厭戦気分が漂えば、講和に持っていく機会が生まれるだろう。そこでジオンを連邦に存在を認めさせる。そこでスペースノイドの真の独立が生まれる。
「連邦のままの政治では人類の衰退は目に見えていた。この私が人類の革新を促す必要がある。今回その機会が巡ってきただけだ」
そうギレンの側近に話していた。
未だジオンの宇宙の勢力圏はサイド6と月を除けばほぼ手中にある。
しかし、ギレンが流し込んだ各サイドへの恐怖は早々払拭できるものではなかった。
ギレンは支配圏においた各サイドに行政権の掌握など民衆の統制をとることが可能であったが、それをギレンは強制しなかった。
強制させるのでな
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