原作開始前
EP.3 ギルド加入、しかし……
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で溜息をつくと、内心ではまだ困惑していたが、妖精の尻尾に入ることを決め、マカロフにその旨を伝えた。
「ほう、良いじゃろう。ところで……」
「ところで?」
何を言われるか、と思って心の準備をしたワタルだったが……
「エルザとは……どこまでいった?」
予想外の質問に吹き出した。
「子供にそんなこと聞くのか、あんたは!?」
「ええじゃないか、そんなことは。……で、どうなんじゃ?」
「それこそどうでもいいじゃないですか……。それよりも、ギルドに入ったらやる事があるでしょう?」
何とかマカロフの質問攻撃をなんとか躱しながら、話を変えるワタル。
「おお、そうじゃった、そうじゃった。ギルドの者にお前さんたちを紹介せねばな」
少し赤い顔で話題を変えようとするワタルにマカロフは笑いながらそう言うと、ワタルと共に部屋を出たのだった。
ワタルはギルドに入ることを決めたが、それでも心配事が消える訳ではない。
「(マスターは受け入れてくれた……。でも、他の人は?)」
思い出されるのは、ワタルを見る大人たちの目。これまでの旅で立ち寄った街の大人たちの、ワタルを恐れ、否定する目だった。
加入を決意したとはいえ、きっと妖精の尻尾でもそうなるんじゃないか……。ワタルはそれを危惧していた。
「心配するな。妖精の尻尾はお前さんを受け入れる。必ずな」
「――ホント、何でもお見通しですね」
「言ったじゃろ? 伊達に歳は喰ってない、とな……」
ワタルの悩みを見透かしているように、マカロフは優しく笑う。
その笑顔にあてられたのか、ワタルは少し前向きに考えることにした。
信用はそう簡単に得られるではない。なら、自分で掴み取ってみせよう、と。
「ワタル! 大丈夫だったか?」
気が付くと元の大広間に戻っており、エルザが不安そうな色が浮かべながら話し掛けてくると、ワタルは思わず視線を逸らした。
誰かが自分の事を心配してくれることが、少しむず痒かったのだ。
「(こいつにも、心配かけちまったみたいだな……)ああ、大丈夫だ」
「それで……」
「慌てるな。マスターの発表を待て」
「……分かった」
何を聞かれるかは予想できたし、色々な意味であまり聞かれたくない事だったので、ワタルはエルザの言葉を制すと、彼女は不満そうだったがそれに従う。
それを見ると、マカロフはらしくもなく静まったギルドの面々に向かって声を張り上げた。
「……ゴホン。さて、この妖精の尻尾に新たな仲間が増えた。エルザ・スカーレットとワタル・ヤツボシじゃ!!」
「お、お願いします」
「お世話になります」
マカロフの紹介に、
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