二十五章
最後の大戦(8)×決着からの外史脱出
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の一人としているのならば俺達は急遽配置されたサプライズゲストとなる。一真の役目があるから来た事で『しなければならない』という義務や責任と言うのが、本来人の世に存在しないはずだ。
「奴はこう言いたいのさ、責任を持つのは良いし素晴らしい事だ。自分で納得してやると決めた事で、初めて意味がある事。やらなければならない・・・・と言う固定概念に思い込みや追い込みにより、人の意志を背負った気となった。それを言い訳として、何かをやる時に使う言葉という鍵。だが奥底にある感情は、やりたくないと自然と叫んでいる」
「・・・・名を持って生まれた事により、自由意志など存在しない物語の筋書きに沿って動く駒。物語の中に組み込まれた光璃達の役目も、何度も何度も繰り返す事で求められる結末。・・・・結末まで物語を導く事で、久遠を殺し明智光秀と言う名が持つ普遍的観念を実行する事?」
「正解だ光璃。そうしなければ否定され、存在を抹消される。長きに渡る物語に終止符を打つ事で、エーリカは長き年月を過ごして解放される。求められて動くだけの人形が、ようやく動きを止める事が出来る事が本来の待ち望んだエーリカである。お、見ろ。一真らが決着するぞ」
精神世界ではゼットンが吠えた事で、両手を天高く掲げながら己を祝福し笑みを浮かべているように見える。我も現実世界にいる奏や久遠達もその笑みは、我を消失してから世界を消失させるはずが泣いている事でそろそろ決着が付く時となったのか。現実世界にて十字架に磔されたエーリカから、少しずつ邪なオーラが滲み出ていた。
「そろそろ終幕だが、貴様は笑っていると思うのか?否、貴様は泣いているようだ。自分を偽り納得しようがしないだろうが、己の課せられた役割を果たす事が本命だとお前は言いたいのだろう」
「そうです。これが役目、これが仕事、そこに何の思考も介さずに悲しみがあるとは思いませんね」
「現実・運命・役目・役割、それ全てがエーリカ自身の意志でもあるのかよ!明智光秀の役割、織田信長の役割とも言うがここは外史でありイレギュラーが起きる外史でもある。お前は他に担う事の出来る役割があるから、迷いが生じてしまうがお前がエーリカであり明智と言う他の役割を優先する悪しき魂には何も分からないと言う事だ。自分自身を殺す事で、役割を演じるのは役者がいないから出来ない」
『その通りですよ、一真。私らだって、現実から逃げたい時もありますし辛い時は逃げる時もありますがそれが人間です。誰かが責めても文句を言われても、役割を担ってない輩の言う事はただの戯言です。そんなのを気にするのであれば、本心ではどうなのですか?善心よ』
奏からの声が聞こえると同時に、今まで暗黒面なオーラの結晶だった器からヒビが出始めた。逃げ出してもいいし、放り出してもいいのが人間であり涙を流
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