dream
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――――――ハッ!?……もしや、褒め言葉と罵声を混ぜ私を困惑させようとしておりますの!? 困りましたわ……私、そんな鬼畜な兄様も愛してしまいす…………。
「おいおい、なんか変な勘違いしてないか?」
知乃の変人ぷりは理解してる。
兄妹だし抜けてるし変わってるし…………頼れる妹だ。
「まぁ、今日はお前のお陰で助かったよ」
久々の会話で抜けてるな俺も。
一時期は敬遠の仲……反抗期の様な時期も有ったけど今は落ち着いてるし昔みたいに戻れるかな?
仲の良かったあの頃に…………記憶を失う前のあの頃に。
――――――困った時はお互い様ですわ、今回は私の別件も有りましたけど。
「別件?」
――――――いえいえ、こちらの話ですわ。
「?…………まぁ、今日は色々とありがと」
――――――構いませんよ、私は私で貴方は私なのですから。
ブチッと通信の切断された様な音は俺の心を刺激する。
……アイツ、魔術回路のバイパスから侵入したな。全身の魔力のほんの一部を回線用に変えて会話してたのか…………成程、全身を軋む痛覚はアイツの置き土産って訳だ。
膨大な情報量を蓄えた知識の塊を魔力変換して俺の神経と魂のバイパスに直接繋いだってか?
常識考えろよ、下手すれば魔術回路の膨張で俺死んでるぞ……。
笑えない現実と笑えない妹のコミニュケーション。
現実的で幻想的だ。
だから、知乃の存在は工程されるのだ。
俺の存在は否定される。俺自身、俺の存在を否定する…………自分の過去すら知らない解らない自分の存在を否定する。
真っ逆の存在だ。
表は俺、裏は知乃。
コインの表裏の様に俺達の存在は単純で逆転可能な人格同士。
まぁ、そんな関係だから俺達は俺達で居られるんだ。
「…………疲れた」
ふかふかのベットに倒れ込んだ。
荷物の整理しないと……でも、疲れたな〜。
寝っ転がった状態で俺は周囲を見渡す。
俺の部屋………………俺の家、家族―――――普通の当たり前。
明日から街の調査とアルバイトだ……アルバイトと言っても家の手伝いだが、アルバイトと同等の時給で働かせてくれるらしい。
家族なのに給料を払うなんて、俺って家族って思われてないのかな?
あぁ、なんか眠いな……。
眠い、眠いよ。
――――――おはようございます、兄様。
世界は逆転した。
――――――あらあら不機嫌な表情ですわ…………どうかされましたか?
ほほぉー。その調子だと気付いてるな〜。
――――――はて? 何の事でしょう?
お前の会話! 知乃自身の声を魔力変換して魔術回路をバイパスに会話してたな! あの後、無茶苦茶痛かったらな!
――――――あぁ〜その事ですの。確かに多少の負担は掛かるかも知れませんが、兄様
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