dream
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、い」
チノちゃん達じゃなかった。
―――タカヒロさん…………えっと……どお、接すれば…………。
「久しぶりだね、始焉君」
「アッ……はい、その」
「緊張してるかな? まぁ、無理もない」
緊張………………緊張、落ち着け。
「お久しぶりです……タカヒロさん」
無茶苦茶恥ずかしくて無茶苦茶身体が熱かった。
恥ずかしい……緊張してる。
「あぁ、元気そうでなによりだ」
「あ、あの! 今日から……宜しくお願いします!」
恥ずかしくて大声で言ってしまったけど…………正直にタカヒロさんに伝えたかった言葉は伝えられた。
タカヒロさんは笑顔で。
「あぁ、宜しくね」
何故だろう…………自然と涙が零れた。
「タカヒロさん…………晩御飯食べないのかな?」
まだ、話足りないのに。
しかも今日のカレーはなかなかの出来栄えだ。
食事を楽しみつつ交流を深めたいと思ったのに…………。
「父は、これから仕事です」
「仕事?」
「はい、昼間は喫茶店で夜はバー…………この話、以前した様な」
「うんうん! 私の時、教えてくれたよ〜」
「なので、父は昼間、書斎でお仕事してます」
…………仕事熱心な人だな。
夜は本業で昼間は店の経理事務的な仕事をしてるんだろう。
娘揃って働き者だな……俺も頑張らないと。
タカヒロさんの仕事は文通で知った。
夜はバーで働き、昼間は店の経理事務…………大変そうだ。
俺も、なにか手伝えれば。
――――――兄様は人の心配ばかりですわね。
知乃?…………今日は会話が弾むな、久々だぞお前とこんなに話すなんて。
――――――少しは自分の心配をして下さい。これから始まる……戦争の為に。
解ってるよ、俺達の戦争だもんな。
魔力の乱れから感じられる。
戦争は始まる…………遠くない未来に。
――――――兄様の場合、私抜きでは勝てる可能位は有りませんものね。だから、私を頼る…………頼られる側からすれば存外ですけど私は貴方、貴方は私ですから……頼って頼られての繰り返し。
溜まった家賃も少し返済しませんと……私達の望みを叶える為に。
あぁ、叶える為に。
でも、これは運命なのか?
この地で、この時間軸で、戦争が始まるなんて…………運命なら感謝する、呪われた仕組まれた因果でも。
――――――あらあら……その表情、昔の兄様そっくりですわ。
「始焉……さん?」
「えッ……あ、」
知乃の話に集中し過ぎた。
食事の真っ最中にする事じゃないのに……アイツとの会話は後だ。
今は、食事を楽しもう。家族の時間を…………………………。
慣れなきゃ…………家族に。
昔は慣れてた家族の温かさは慣れない。
俺は、知らなさ過ぎる。家族って奴を忘れてるんだ
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