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Last?orderは魔法少女ですか?
dream
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し付ける少女の表情は笑顔だ。
笑顔で誤魔化し続けるのだ。偽りの自分を真実の願望を伝えたい気持ちを抑える我慢する…………兄の願望を妨げぬ様に……自分の罪を重荷と感じぬ様に。

――――――兄様…………貴方の願望は刹那すぎる。

その願望は自分の願望。
その願望は他人の入り込む余地すら与えない願望。
望まれた願望、望まれなかった願望を抱えた兄。
恵まれた願望、恵まれなかった願望を抱えた妹。
相対する少年少女の願望は儚い夢物語だ。
夢は覚めない。
何故なら彼等の視ている夢は未来でも過去でもない。
そもそも現実ですら無いのだから。



「始焉さん…………料理、上手ですね」
驚いた表情でチノは俺の包丁捌きを見る。
「そうかな? チノちゃんの方が、俺は凄いと思うけど」
チノちゃんは俺より年下で働きながら家事もしてるんだ。
俺より断然、チノちゃんの方が働き者だし立派たよ。
「そうでもないです、私なんてしょっちゅうミスしちゃいます」
「ミスは重要だよ。人間、ミスや失敗を経験してやっと成長するんだ。
失敗は成功の元! 失敗万歳!ミス万歳!」
「…………その言葉を無力化する人も一人」
チノちゃんは隣で必死に玉ねぎの皮を剥いているココアの事を指すように言った。
「ま、まぁ…………大丈夫!」
「なにが!?」
「ほ、ほら……ココアさんはこれから上達する人なんだよ。
だから頑張ろ……あっ…………玉ねぎの皮、俺が剥こうか?」
「まだまだ修行が足りませんね」
グサッグサグサ!! ココアさんの心に弓の矢が何本も刺さった音が聞こえる。
涙目になりながらココアは玉ねぎの皮剥きを再開する。
その流してる涙は玉ねぎのせい? それとも言葉の暴力のせい?
ココアの流している涙が玉ねぎのせいである事を祈りつつ俺はジャガイモの皮を剥き始めた。
「あれ? カレー粉が切れてます…………」
「買ってこようか?」
「私が行きます。始焉さんはまだ道に慣れてないでしょうから」
ご最もな意見だ。
地図さえ見れば大体、解るが道を覚えてない状態で行ったら……また、迷っちゃいそうだ。
「私も行っていい?」
「構いませんが、始焉さんだけじゃあ…………」
「俺は構わないよ、2人で行ってくれば」
夜道を女の子一人で歩くのは危険だ。
ココアさんと一緒なら大丈夫だろ。本当なら俺も同行すべきなんだけどご飯作る人が残らないとね。
「解りました……では、お願いします」
申し訳なさそうな顔でチノちゃんはこちらを見つめる。
「あぁ、行ってらっしゃい」
俺は大丈夫だよ!と笑顔で答えた。

「ふぅー。終わった」
後はカレー粉の到着を待つだけだ。
まだ帰ってくる様子もないしサラダでも作ってようか。
カチヤッ。ドアの開いた音だ。
「お帰りな……さ
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