dream
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――――――兄様楽しそうですわね。
――――――満喫感溢れる笑顔、その笑顔は過去の自分を重ねた物ですか?
――――――まぁ、今の兄様は私の声なんて届かない様ですし。私は私で楽しませて貰いますわ。
――――――さぁ、今宵の晩餐は…………なんでしょう?
「ありがとうございました!」
元気一杯な声で接客するココア…………仕事の方はまぁまぁだけど接客業を嗜む高校生としてはなかなかのものだ。
お客さんの数も減り始め、そろそろ閉店の時間だ。
ラストスパート!頑張るぞ!
…………考えると俺って今日からここの住人なんだ。
名前は変わらないけど生活は変わる。俺は香風家の一員なんだ…………接し方ってどうすれば?
話し掛ける時って、どう話し掛ければいんだろ?
…………俺ってコミ障かな?
――――――兄様は家族慣れしてないだけですわよ。
知乃…………?
――――――私をすっぽかして仕事熱心な兄様は意地悪です…………。
知らないよ……まぁ、悪かった。
俺の声は知乃に届かない。
知乃の声は俺の心なら俺の中なら聞こえる。でも、俺の声は知乃に届かず口から発した言葉じゃないと届かないのだ。そこら辺、不便だよな。だから俺は知乃声が聞こえても大抵は無視する、まともな会話は殆んどしない。
俺から距離を作ったんだよな…………昔はもっと仲良かったのに。
――――――兄様、貴方は距離を空けたり積めたりと優柔不断ですわ。
――――――その癖は治りませんね、あの時から。
悪かったな、俺は苦手なんだよ……友達作るの。
この言葉は心の声は知乃の耳に届かない。
でも、反論してしまった。解ってて反論した…………変わらないな俺って。
――――――コミュニティは生きる為に必須な事ですわ。私は兄様、兄様は私、お解りですわね?
解ってるよ…………。
――――――相手からの好意は素直に受け取る!友好関係を作るのに必須な事ですわ!
――――――素っ気ない態度を取っても相手には伝わらない。なら、素直に自分の気持ちを伝えるのです。
驚いた…………結構真面目な事、言ってる。
――――――今、とても失礼な事を考えてるでしょ?兄様?
ば、バレてる!?馬鹿な!?俺の声は届かない筈なのに!?
――――――まぁ、いいですわ。どうせ、アイツがまともな事言ってるやら明日は雨か雪でも降りそうだな〜とか思ったのでしょう? 大体察しが付きますわ!
そこまで思ってない! おいおい、もしかして俺の声、本当は聞こえてるんじゃないのか?
――――――表情で態度で大体解りますわよ、兄様。 貴方は読みやすいですから。
「ふぅ〜疲れた〜」
だらーんと伸びきったココアの姿…………閉店時間なのか。
「お疲
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