2部分:第二章
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士は青い鎧とマントを身に纏っています。この世で最も強い竜を倒したことのある竜の騎士ジークフリートです。
最後の騎士は黒い鎧とマントです。神の力が宿る槍を持つ槍の騎士パルジファルです。
この九人の騎士達は帝国において最強の騎士たちと言われています。皇帝が彼等を呼んだのは当然と言えば当然でありました。
「陛下」
「御呼びでしょうか」
「うむ」
皇帝は騎士達に対して厳かに応えます。やはり威厳のある姿です。騎士達はそれぞれの右腕の中に兜を持ち左の膝をついています。そうしてその姿で皇帝の前にいるのです。九つの鎧がみらびやかな様々な色を放って輝いています。
「実はそなた等にやってもらいたいことがある」
「それは一体」
「この世で最も大切なものを探してくるのじゃ」
厳かな声でそう彼等に告げます。
「この世で」
「最も大切なもの」
「左様」
また騎士達に応えます。
「よいな、それを今からな」
「畏まりました」
「それでは」
九人の騎士達はそれぞれの言葉で応えました。国で最も優れた騎士達と言われている彼等です。断る筈もありませんでした。
「すぐにそれを見つけて参ります」
「そして陛下の御前に」
「頼むぞ」
一言で返します。
「吉報を待っている」
「はっ」
「それでは」
騎士達は一斉に立ち上がり主に礼をします。そうして旅立ったのでした。
皇帝は玉座から彼等を見送ります。その中で宰相は皇帝に尋ねました。
「果たしてこの世で最も大切なものとは何でしょうか」
「それは彼等が見つけてくれる」
それが皇帝の返事でした。
「だからな。我等が案ずることはない」
「左様ですか」
「待っておれ」
そう言って宰相を安心させます。
「彼等が持って来るものをな。よいな」
「わかりました。それでは」
宰相はその言葉に頷くことにしました。そうして彼等はそれぞれの場所に向かうのでありました。
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