暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の水族館
第十幕その二

[8]前話 [2]次話
「そうしたことはいいよ」
「ただ学問をする」
「それだけなんだよね、先生は」
「贅沢も名声も興味なし」
「地位や権力もね」
「そうだよ、そうしたことは全く興味がないから」
 だからだというのです。
「いいんだ」
「そういうことだね」
「じゃあそういうことは考えないで」
「ただ診察をしていこうね」
「このままね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 先生は朝御飯を食べ終えてでした、歯を磨いてお顔も洗ってです。そうして動物の皆と一緒に登校しました。
 学校に来るとまずは研究室に入ってでした、そこに荷物を置いてです。
 水族館に向かいました、水族館の何処に向かうのかはもう決まっていました。
 深海生物のコーナーです、そこに向かう中で皆は先生に言いました。
「もうどんな生きものいるかはわかってるよね」
「先生ここに何度も来てるし」
「だからね」
「どんな深海生物がいるかはわかってるよね」
「わかってるよ」
 先生はにこやかに答えました。
「どの子がいるかね」
「じゃあ話が早いね」
「それならね」
「それじゃあ今から行って」
「それで診察だね」
「最初はアンコウさんかな」
「そうだよ」
 その通りという返事でした。
「まずは彼女から聞くよ」
「ああ、彼女なんだ」
「そうなるんだ」
「そうだよ」
 先生はここでアンコウのお話もしました。
「僕達がよく見るあのお口の大きなアンコウは雌だからね」
「そうだよね、あのアンコウは雌でね」
「雄は凄く小さくて」
「雌にくっついてるんだよね」
「だからあのアンコウはね」
「彼女になるんだよね」
「そうだよ、けれどご主人もいるから」
 雄のアンコウもというのです。
「水槽の中には一緒にね」
「夫婦は揃ってるんだね」
「ちゃんとね」
「仲良く」
「一緒の水槽の中で暮らしてるのね」
「そうだよ。じゃあ行こうね」 
 こうお話してでした、そのうえで。
 先生達はまずはアンコウさん達のところに行きました、そのうえで先生は水槽のガラス越しにです。アンコウの奥さんに挨拶をしました。
「こんにちは」
「あら先生こんにちは」
「こんにちは」
 奥さんだけでなくです、奥さんにくっついている小さなご主人も先生に挨拶をしました。
「今日はどうしたの?」
「何か用かな」
「まずは君達への診察をしたいんだ」
 そこからと言う先生でした。
「いいかな」
「ええ、どうぞ」
「よく見てね」
 ご夫婦はにこりと笑って先生に答えました。
「先生ならね」
「好きなだけ診察していいよ」
 深海生物、アンコウさんのご夫婦にも慕われている先生でした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ