第十幕その三
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「そんなにたこ焼き食べるのって」
「そうみたいね」
「あとお好み焼きもね」
「それも?」
「関西と広島じゃ違うんだよね」
「ええ、八条学園には広島から来てる子もいて」
小学生の子には寮がないので親御さんと一緒に引っ越してきた子達です。
「その子達が言うにはね」
「あっちのお好み焼きがお好み焼きだよね」
「食堂や売店にもあるでしょ」
「うん、あっちのお好み焼きもね」
「大阪の、関西のとはまた違うの」
「小麦粉を使っていても」
「そうなのよ」
こうジョージにお話します。
「お父さん達はあっちのお好み焼きは広島焼きって呼んでるわ」
「お好み焼きじゃなくて」
「そう呼んでるの、あっちの人はこっちのお好み焼き大阪焼きって呼んでるし」
「お互いにお好み焼きはこっちってことかな」
「そう思ってるみたいよ」
「成程ね」
ここまで聞いてでした、また頷いたジョージでした。
そうしたお話をしてです、皆でドロシーが出したお茶を飲みました。それは中国茶です。おやつは月餅が出ています。
その月餅を見ながらです、ポリクロームは言いました。
「夜になったら」
「またお月様が見られますね」
「そうなるわね」
「それも楽しみですよね」
ジョージもその月餅を見ながらポリクロームに応えます。
「夜になっても」
「そうよね」
「お空は夜も昼も楽しめますね」
「ええ、オズの国はね」
「外の世界もそうですけれど」
それでもというのです。
「オズの国のお空はまた特別に」
「楽しいのね」
「そう思います」
ポリクロームに笑顔で答えました。
「僕も」
「じゃあお昼も見て楽しんで」
「夜もそうしましょう」
「このままね」
ポリクロームはここまでお話してでした、そして。
自分の前にあつお露を飲んででした、先程の虹のリングのことを皆に言いました。
「あのリングをくぐったから、兄さんの作ってくれた」
「僕達にだね」
「幸運が訪れるね」
「ええ、そうなるわ」
臆病ライオンと腹ペコタイガーにも応えます。
「私達を虹が守ってくれているわ」
「虹の幸運が」
「それが」
「そう、だから」
それでというのです。
「楽しんでいればいいわ」
「それならね」
「このまま巡ろう」
「このお空の旅をね」
「終わる時までね」
「そうしましょう、それとね」
ポリクロームはジョージにもお顔を向けてお話しました。
「さっきジョージが言ったけれど」
「天使ですか?」
「いるわよ、この国にも」
「あっ、そうなんですか」
「そう、お空にね」
「じゃあここで見ることも」
「出来るかも知れないわよ」
実際にというのです。
「会うことが出来ればね」
「そうですか、じゃあその時が来ることを」
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