暁 〜小説投稿サイト〜
東方妖狐伝
プロローグ

[1]後書き
   −−−迷いの竹林−−−

??「はぁ...はぁ...」

満月の夜
真夜中のうっそうとした竹林の中を、1人の少年が片足を引き摺り、息を荒げながらながら歩いている、その体は常にふらついており、体中傷でボロボロになっていた

伊賀者が着ているような衣服に身を包み、頭には狐耳、腰のあたりには一本の大きな尻尾がついている

??「っはぁ...早く...誰か...」

今は丑三つ時、周囲は暗闇に囲まれており、自分でもどこに向かっているのかわからない
ただ、「助かりたい」その一心で歩を進めているのだ

??「...ッ!」

傷だらけの右足を前に踏み出した時、身体に異変が起こる
ただ足を踏み出しただけなのに、真っ直ぐ立っている事ができない

既に数時間、ひたすら歩き続けている
一歩踏み出すごとに足に電流が走るような激痛が走り、普通ならまともに立っている事すらままならないだろう
そんな状態で歩き続けていては、疲労が溜まって倒れるのは時間の問題

??「駄目だ...意識が...」

遂には意識までも朦朧としてきた
助けを求め、助かりたい気持ちだけでひたすら歩いていたというのに、ここで終わってしまうのか

??「...誰......か...」

バタリ

そう音を立てて地面に倒れ込んだ
その体は倒れたまま、起き上がる事は無かった...


......ここは「幻想郷」......
結界によって外の世界から隔絶された世界
外の世界から忘れ去られ、その存在を拒絶された者達が集う「楽園」......



-----プロローグ END-----
[1]後書き


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