月下に咲く薔薇 19.
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をする者と解釈する事ができるとして、『呪い』とは穏やかじゃない。しかもアイムは、ZEUTHのメンバー全員を『烙印を持つ者』とも呼んでいた。その烙印は、今回の敵から見えるのかねぇ」
大杉は、応答をロジャーや万丈、アムロ、クワトロといったZEUTHのメンバーに求めた。
些か居心地の悪い顔をし、ロジャーが「申し訳ないが、何とも答えようがない」と話を濁す。「呪いや烙印が何を指すのか、人の世の理の外にあるものを我々ZEUTHも理解しあぐねている」
「そうか。…それは残念だ」大杉の表情には、本気の落胆が滲み出ていた。「ZEXISの内部事情以外でアイムが興味を示す分野は、極端に限られている。その呪いや烙印が何を指すかは不明だが、あのカラミティ・バースがZEUTHを我々の住む多元世界に転移させた事について、アイムは以前から重大な関心を寄せていた。もしかしたらZEUTHのメンバーは、我々ZEXISよりも先程万丈君が言っていた次元獣や異世界に近くて、アイムも異界に住む敵もそれを知っているのかもしれない。アイムが興味を示す力を異界の住人も望むのなら、連れ去られるのは間違いなくZEUTH、つまりアテナの筈だ。なのに、クラン大尉と中原君がさらわれた。敢えてZEXISのメンバー2人に絞った理由は何か。ZEXISのメンバーに、敵は何を求めているのか。…結構重大な意味を持つような気がするんだよ。事前に知る事ができるなら、それに越した事はないと思うんだ。ま、あくまで私見ではあるがね」
大杉の話を、ZEUTHは非常に硬い表情で最後まで聞いていた。
「そういえば俺達は、ZEUTHが結成された経緯とか何も知らないんだ。こんなに一緒にいるのに」
レントンが最高の間合いで、少年の疑問を関係者に投げかけた。会議の内容には直接触れないものだけに、子供の特権はこういう時にものを言う。
「色々と終わったら、必ず話す」
それが、万丈1人が声に出した唯一の回答だった。
「敵が、クロウ以外のZEXISに何を求めているのか、か。…我々は、接触しようという相手について何も知らなすぎる。一つ、2人の調査に乗り出してみるか」
仕切り直しのつもりか、咳払いの後、大塚が改まって洗い出しの重要性を拾い上げる。
スメラギが、それに同調した。
「ええ。昨日1日について、2人の行動をトレースしてみるのはどうかしら? 対象は、言うまでもなく買い出し隊の全員よ。バトルキャンプの中だけでなく外出先でも誰かが一緒に行動していた筈だから、精度の意味でも効率の意味でも理想的ね。全員に全てを思い出してもらいたいの」
「す、全てって…」
軽く言ってくれるぜ、とクロウとロックオンにミシェルまでもがげんなりした。
些細な事まで、しかも正確に脳内から引き出すように、との無体なご指示だ。必要か不要
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