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月下に咲く薔薇
月下に咲く薔薇 19.
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嬢のバトルキャンプ来訪後に、サイコフレームとの併用による再接触を行う」
 勿論、全員に異論はない。
 好感触に気を良くしている大塚に、ジェフリーが「それで進めて宜しいですかな?」と最終確認を行った。
「お願いします」
 平行世界にある地球からやって来た百戦錬磨の指揮官に、大塚は全幅の信頼を置き承諾の言葉を贈った。
「異界への侵入方法は見えてきたとして」と、改まった城田が議題を変える。「もう一つの問題が深刻化するのは、その突入後だ。次元獣のもの以上となったDフォルトを、現状の力だけでどのように突破するか」
 再び、ゼロが口火を切った。
「それこそ、アイムに任せるのが適任だ。奴は単独で、Dフォルトを突破する為の術を持っている。我々ZEXISの分まで、精々アリエティスには活躍してもらおうではないか」
「でも、アイムと組むのは最終手段と…」首を傾げていたスメラギが、「まさか…」と眉を上げる。
「そうだ。アイムは扉が開いた瞬間に必ず現れ、自ら進んで怪植物の標的となるだろう。何しろ、クロウがブラスタで件の異界に突入するのだからな」
「うむ」説得力の大きさに思わず唸った大塚が、机上の映像を差し替える。
 動画が表示され、昨夜ブラスタを庇い4刃で怪植物を切り刻むアリエティスの舞いがスローで再生された。ブラスタに一切触れさせまいとするアリエティスの妙技に、操縦者の激しい感情が乗っているとわかる。
「自分を頼るようにと念押しまでしたのだ。蔑んでいる敵の本拠にこれといって策のないZEXISが乗り込むと知れば、あの男の事だ。必ず現れる」
「その時だけ利用し、怪植物の鎮圧後は早々に退散願おうという訳か」
 苦笑するネゴシエイターに、「それが最も有効な強敵の使い方だ」とゼロは容赦がない。さては、歌の戦術的意味を理解した段階で、ゼロはアイムとの共闘方法を根本から練り直したのではないか。
 接触する時間が短いだけで、共闘する相手から攻撃を受ける確率は大きく下げる事ができる。アイムとの関わりをなるべく避けたいクロウとしても、うってつけの名案だ。
「できれば、ZEXISの中にも独自の対策が欲しいのだけど。高出力機による多重攻撃の他は、まだ検討段階ね」
 スメラギが、更に他案が存在する事をそれとなく仄めかす。十中八九、クロウやニルヴァーシュを前面に押し出す案だろう。
 悪意に支配されたあの怪植物をどうにかできるのなら、異物込みで隊に貢献しても構わないとは思う。その決意あっての、先程の申告だ。
 ただ。ZEXISとZEUTHを合わせ、所属するロボットや戦闘機は優に60機を越す。動力も武器の特製も様々なものが集まっているのだから、何かはピンポイントでツボにはまる気はするのだが。
 今のクロウがブラスタを操り、SPIGOTの加速粒子をあの怪植物に見舞うとしたら、
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