9話 ダグラスの死線 11.12
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手にしているようだ」
モビルスーツの装甲などマゼラアタックの砲撃の1つではそう撃墜は難しい。しかし火力の集中では話が変わってくる。いくら撃墜してもアリのように湧いてくる敵の重厚な包囲網による連邦左翼の全滅が免れなくなってきていた。
全ての要因としてどちらへ向かえば良いかがわからないことに各隊すべてが悩んでいた。
そこに天の助けとも言える本体からの救援が来た。
「生きてるか!このサミエックが来たぞ!」
サミエックはオープンスピーカーで左翼に到着したことを戦場に伝えた。
ここまで到着するまでに半数のジム改を失っていた。
「この左翼はすべてオレの指揮下に入る!最初の命令だ!皆後方に向かって、ミネソタ境まで全力で突撃ー!」
バラバラになっていた各部隊が一丸になってミネソタとノースダゴタの州境に向かってひたすら突撃した。包囲網もガルマの本隊よりには余剰戦力が備えてあったが、州境方面には包囲網の壁のみであった。ジム改らの突破力はマゼラアタックを一瞬でガラクタと化していった。
よって、左翼全滅の危機は免れたがそれまでに左翼の半数が失われていた。
ガルマはその戦闘報告を聞き、今一歩だったが連邦の本隊に集中できると言った。
通信でバイソンからガルマへ連絡が入った。
「申し訳ございません。もう一息で敵に楔を打てるところでした」
「いや、上出来だ。彼らは一旦戦線から離脱した。あと残るは敵本隊と右翼のみ。攻めやすくなった」
「はっ。左様で」
「バイソン。もうひと働きしてもらうぞ」
ガルマはバイソンに敵本隊の後方に回り込み包囲網を完成させるように命じた。
その動きをダグラスが見て、本隊と右翼との残存軍の集結を図った。
ガルマは勿論その動きを見ていた。ガルマは高らかに笑った。その姿を見た副官のダロタ中尉は不思議そうに上官を見ていた。
「ハッハッハッハ・・・その覚悟潔し!ダロタ。敵が突っ込んでくるぞ」
「敵がですか?包囲されているのにですか?」
「そうだ。あの敵左翼の後退を見ただろう。突破力は計り知れない。それを見越してだろう」
「確かに、ですが我が軍を突破するなど・・・」
「確かにな。しかし色々やりようはあるぞ。我々の火力ではあの突撃を流すしかないが、より深く縦深陣へと誘い込み徐々に包囲殲滅をしていく。だが、その包囲網は明らかに薄いものとなる。そこを左右どちらかに急進して逃げ出すことも可能だ」
「では、敵はもう敗北を覚悟したと」
「そうだな。とりあえずはミネソタでの戦いはこれで終結するだろう。我が軍の勝利を持って。どちらにしろ奴らの退路は我々が断った。そして自ら退路を切り開きに死に物狂いで向かっ
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